シバユカ Vol.11

シバユカ:男のジェラシーは使いよう。付き合って間もない彼に結婚を決意させる方法

−男に頼って、何が悪いの?−

ゆるふわOL・“シバユカ”は、慶大経済学部卒の学歴を有していながら、大手不動産会社の役員秘書に甘んじている。

“結婚ありき”の人生を描くシバユカは早々にお食事会は無意味だと悟る。THE港区女子のしたたかさに惑わされたりしつつも、元カレ・祐介の助言や師事している料理家・留美先生夫妻の理想的な姿に、目指すべき姿を再確認するのだった。

そんな中、慶応テニスサークル時代の先輩・一ノ瀬大地と再会し、初デートで直球告白される。

一ノ瀬には婚約者がいるという噂を耳にするが、シバユカは自分の直感を信じて彼と付き合うことを決意。

しかしあろうことか、一ノ瀬の婚約者と鉢合わせしてしまう。


「…ありがとう」

祐介を傷つけてしまわないよう細心の注意を払いながら、私はそっと彼から離れた。

ふたりの隙間に夜風が通り抜け、その冷たさが私を冷静にさせる。

男女の恋愛というのは、ほんの些細なタイミングでいかようにも転ぶものだな、などとぼんやり考える。

−俺と、やり直そう。

祐介からそう言われるのを待ち望んでいた時期も、確かにあった。…でもそれは、今じゃない。

私の頭の中は、先ほど出会った女・栞のことでいっぱいだった。

−こんな風に他の男の人とふたりでお酒を飲むような女だって知ったら、彼だって目を覚ますはずよ。

吐き捨てるようにそう言った、怒りに満ちた表情を思い出す。

彼女はきっと、大地に告げ口するつもりだろう。…栞が動く前に、手を打たなければ。

「とにかく、一ノ瀬先輩と話してみるね」

そう言っていつもと変わらぬ笑顔を向ける私に、彼は一瞬、何か言いたげに口を動かす。

しかし続く言葉が発せられる前に、私は立ち上がった。

「励ましてくれて、本当にありがとう」

「ああ」と小さく呟く彼を残してその場を離れる。

横断歩道を小走りで渡り、祐介の姿が見えなくなったところで、私はすばやく大地の携帯を呼び出した。

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