メニューによります Vol.11

2017年ヒット小説総集編:「メニューによります」(全話)

男性から食事に誘われたら、ひな子は必ずこう答える

「メニューによります😏最近忙しいので......」

美貌・知性・若さという女の市場価値を決める3大条件、すべてにおいて最高値を誇る女・ひな子。

―中途半端な店に、私を誘わないで―

そのセリフの意図を汲み取った選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

さて今宵、ひな子様を満足させるレストランのスペシャリテとは?

「メニューによります」一挙に全話おさらい!

第1話:男の誘いを、メニューで査定する女。今宵の武器は“生ハムの王様”

―姫、待望のあの店の予約日が、とうとう3日後に迫って参りました。姫のご気分が変わられていないことを祈ります―

LINEに表示されたメッセージを目にして、ひな子はふっと口元を緩めた。

シュールな文面をひな子に寄こしたのは、アパレル会社社長の久保である。

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第2話:社会人デビュー男恐るべし!“あの”銀座最高級カウンター中華への誘い

ひな子は、浩一という男を見くびっていたかも知れないと、小さく反省している。とあるハイブランドの新作発表パーティーで出会った彼は、香港の投資ファンドのマネージャーという肩書で、財力のありそうな男ではあった。

しかし、白いシャツと白いパンツという全身真っ白(ただの白ではなく、真っ白)のファッションセンスや、煌びやかなパーティーのムードに完全に置き去りにされた姿は、少し垢抜けない雰囲気だった。

それでもしつこく連絡先を懇願し、何度もデートの予定を詰めて来る浩一に、ひな子はいつのものように一言だけ 「メニューによります(^_-)」 と返信し、しばらくLINEを未読で放置していた。

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第3話:女が恍惚とする、最強の美食。バブル崩壊を生き残った紳士の甘い誘い

―ねぇ、亀ちゃんからお誘いが来たわ。みんな、何食べたい?

ひな子はグループLINEを開き、10代から東京生活を共に謳歌した戦友2人にメッセージを送る。

―亀ちゃんと言ったら、“アレ”よね。3月なら、ギリギリ間に合うかしら。
―そうね、私も“アレ”がいいわ。

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第4話:自称、最強の“おしょくじがかり”!?M気質なIT社長と、港区の極上和食に酔う

この2on2形式の誘いというのは、ひな子のような高飛車女を誘うにはベストな方法と言えた。女友達を誘っている手前、滅多なことではドタキャンはしないし、女同士では少々ハードルの高い高級店に連れ立って出かけるのは単純に楽しいイベントとなるからだ。

昨今、いくら稼いでいようとも、一人単価2万円以上の店で食事会を開催する男は、それほど多くない。

かつ、予約の取りにくい店や新店情報にまで詳しい増林は希少な存在で、「最強のおしょくじがかり」というあだ名は飾りではなかった。

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第5話:「同年代の男に興味ゼロ」と言い切る美女を変えた、27歳男からの“高級天ぷら”への誘い

他の男たちの顔がピクピクと引き攣る中、裕太だけが爽やかな笑顔でひな子を誘った。

「うーん、メニューによるわ」

彼は外資系コンサルティングファームで活躍しているらしいが、たかが27歳のサラリーマンが、ひな子の舌を満足させるとも思えない。ひな子は裕太の顔も見ずに、素っ気なく言い放つ。

「シャトーブリアンの天ぷら、食べたくない?」

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第6話:美女が受けた“ワリカン会計”という屈辱。塩対応な彼と2度目の銀座鮨デートはいかに!?

―この私が、ワリカン......

『たきや』からの帰り道、ひな子はあまりのショックに呆然としながら、フラフラと麻布十番を歩いていた。

別会計を言い渡した裕太の態度があまりに自然だったため、ひな子は息が止まるほどの衝撃を受けつつも、普段のように強気な態度を取れず、おずおずと自分のクレジットカードで会計をした。

―まさか、自分でお金を払うなんて......

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第7話:「今日も美人ですか?」変人でも、センス最高。港区おじさんと“夜景フレンチ”の一夜

LINEの通知が来るたびに、ひな子はどうしても裕太の顔を思い浮かべてしまうのだが、相手は星の数ほどいる男友達(通称“おしょくじがかり”)ばかりである。

日に日に苛立ちが募り、ひな子はスマホが鳴る度に、舌打ちしたいほどの感情に駆られていた。そんなひな子の目に留まったのは、自称最強の“おしょくじがかり”&“港区おじさんジュニア”という肩書きの増林(マッスー)の誘いであった。

―ひな子先生、今日も美人ですか?ご機嫌いかがでしょうか。よろしければ、銀座の時計塔を眺めるガストロノミーで、2on2にお誘いしたく......。

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第8話:銀座で勃発した美女バトル。美食の街・東京で“都市伝説”と囁かれる名店に現れた強敵

念願の『かわむら』に、ひな子は胸をときめかせて到着した。外観も目立つものではなかったが、カウンター8席のみの店内も、無駄のないシンプルな造りだ。奥の席に裕太の姿を確認し、ひな子は不本意ながらも、照れたような乙女気分を味わう。

しかしひな子は次の瞬間、とんでもない光景を目にした。

驚いたことに、彼の隣にはやたらと瞳の青さと金髪が目立つ美しい白人女性が座っており、二人は英語でさも親し気に会話をしていたのだ。

第8話の続きはこちら

第9話:「僕の、最後の女性になってください。」濃厚な中華に酔う、イケメン社長との甘すぎる夜

「ひな子、『たきや』以来、例の若者には会ってないわよね?」

不意打ちで探りを入れられ、ひな子はぎくっとする。裕太のことは黙っておきたかったが、勘の良い彼女に隠し事をするのは難しそうだった。

「何よ、若者って......裕太くんは同い年よ。あのあと『竜介』と『かわむら』にも一緒に行ったけど......」
「うそでしょ?まさか、それもワリカンだったんじゃ......」

慶子は幽霊にでも遭遇したかのような表情で、ひな子を見つめる。彼女にそんな顔をされると、胸が痛くなった。

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第10話:美女が脱ぎ捨てたプライド。港区究極の“劇場型レストラン”で迎えた、意外な恋の結末

多くの男たちから言い寄られながらも、ひな子が恋人を作らないのには理由がある。それは、それなりに好条件の男たちが多すぎて、とても1人には絞れないからだ。職業も年齢も様々な彼らは、食や会話のセンスも、それぞれ違った面白さや刺激がある。

好奇心旺盛なひな子にとって、恋人を作るのは世界を狭めてしまうようにも思えたし、どうせそのうち「結婚」というものをするのだから、それまでは自由の身でいたい気持ちも強かった。

基本的に、1人の男を独占したいとか、濃密な愛を育みたいとか、そういった「恋愛欲」が薄いタイプなのだ。

第10話の続きはこちら

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