メニューによります Vol.7

「今日も美人ですか?」変人でも、センス最高。港区おじさんと“夜景フレンチ”の一夜

男性から食事に誘われたら、ひな子は必ずこう答える。

「メニューによります!最近忙しいので......」

美貌・知性・若さという女の市場価値を決める3大条件、すべてにおいて最高値を誇る女・ひな子。

―中途半端な店に、私を誘わないで―

そのセリフの意図を汲み取った選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

これまで『ペレグリーノ』『Furuta』『味満ん』『乃木坂しん』の誘いに満足したが、同い年の裕太に誘われた『たきや』『竜介』では、まさかのワリカン会計で衝撃を受けたのだが...?


「ひなちゃんが好きそうなメニュー、考えておくから」

裕太の上品な笑顔と、“ひなちゃん”と呼んだハキハキとした少し低めの声が、ひな子の頭から離れない。

ワリカン男・裕太のことがどうしてそれほど気になるのか、自分でも分からなかった。

裕太と出会う前まで、ひな子が男の前で財布を出したことなど皆無に等しい。

別にお金が惜しいわけではないが、美しい女が奢られるのは当たり前、それは当然の権利というか、自然の摂理とも言える仕組みだと思っていたのだ。

むしろひな子の周りの男たちは、若く美しい女にお金を使うことを生き甲斐にすらしているように見える。

それどころか、ワリカンだけでなく、裕太はひな子を褒めたりチヤホヤすることもほとんどしないのだ。

他の男たちとは180度態度が異なる裕太のことを考えると、妙にイライラし、胸におかしなムズ痒さを感じる。

にもかかわらず、ひな子は無意識に、裕太からの次の誘いを心待ちにしていたのだった。

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