メニューによります Vol.3

メニューによります:女が恍惚とする、最強の美食。バブル崩壊を生き残った紳士の甘い誘い

男性から食事に誘われたら、ひな子は必ずこう答える。

「メニューによります😏最近忙しいので......」

美貌・知性・若さという女の市場価値を決める3大条件、すべてにおいて最高値を誇る女・ひな子。

―中途半端な店に、私を誘わないで―

そのセリフの意図を汲み取った選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

前回は、社会人デビュー男・浩一『Furuta』の誘いに満足した。

今宵、ひな子様を満足させるレストランのスペシャリテとは?


―ひな子、久しぶりに食事でもどうですか。食べたいものがあれば、遠慮なく言ってね

亀田社長の誘いに、ひな子は一人、ニッコリと微笑んだ。

重鎮系の経営者である彼との付き合いは、かなり長い。といっても、それは決してイヤらしいものではなく、女子大生の頃に知り合い、社会人となった今でも食事のみのクリーンな関係が続いているだけだ。

―ねぇ、亀ちゃんからお誘いが来たわ。みんな、何食べたい?

ひな子はグループLINEを開き、10代から東京生活を共に謳歌した戦友2人にメッセージを送る。

―亀ちゃんと言ったら、“アレ”よね。3月なら、ギリギリ間に合うかしら。

―そうね、私も“アレ”がいいわ。

2人の即返信に、ひな子は思わずニヤリと笑みがこぼれる。

今ではキー局の女子アナとなった慶子と、外資系コンサルティングファームで活躍しながら、去年ちゃっかり人妻となった彩乃。

自分と同等の人生を歩んできた親友たちは、言わずとも好みが一致してしまうのだ。

―それじゃあ、“ふぐ”をリクエストしておくわ

鼻歌をふんふん奏でながら、ひな子は豪勢な女子会の予定を、エルメスの手帳にハート印で記入した。

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