メニューによります Vol.6

美女が受けた“ワリカン会計”という屈辱。塩対応な彼と2度目の銀座鮨デートはいかに!?

男性から食事に誘われたら、ひな子は必ずこう答える。

「メニューによります😏最近忙しいので......」

美貌・知性・若さという女の市場価値を決める3大条件、すべてにおいて最高値を誇る女・ひな子。

―中途半端な店に、私を誘わないで―

そのセリフの意図を汲み取った選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

これまでは、『ペレグリーノ』『Furuta』『味満ん』『乃木坂しん』の誘いに満足した。

しかし同い年の裕太に誘われた『たきや』では、まさかの別会計を言い渡されてしまった!


―この私が、ワリカン......

『たきや』からの帰り道、ひな子はあまりのショックに呆然としながら、フラフラと麻布十番を歩いていた。

別会計を言い渡した裕太の態度があまりに自然だったため、ひな子は息が止まるほどの衝撃を受けつつも、普段のように強気な態度を取れず、おずおずと自分のクレジットカードで会計をした。

―まさか、自分でお金を払うなんて......

頭をフル回転させて記憶を探っても、ひな子は男との食事で身銭を切った覚えは一度もない。言わば“初体験”である。

しかも裕太は、ひな子を二件目に誘うこともタクシーで送ることもなく、百歩譲って駅まで見送ることもせず、あっさりと店の前で解散したのだ。

「今日は楽しかった。また連絡するね」

白い歯を見せてピュアな笑顔を浮かべた裕太は、挙動不審に陥ったひな子を振り返ることもなく、煙のように麻布十番の街に消えていった。

この日のために下ろしたダイアンフォンフォスティンバーグのラップワンピースが、泣いているような気がした。

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