結婚して妻になった途端、女はオンナでなくなるのだろうかー
かつてはあれほど自分を求めた夫も、結婚後は淡白になり、ただ日々の生活を営むパートナーになった。
外見に気を遣い、綺麗な奥さんでいようとしても、褒めてくれるのは同じ主婦ばかり。
私はもう、オンナとしては終わりなのだろうか?
そんな疑問を感じた妻が、食事会に顔を出す。そう、己の市場ニーズを確認するために。
「チヤホヤされたい東京妻」一挙に全話おさらい!
第1話:禁断の既婚者限定お食事会。まだ私は、女として通用するのか?
夫もいて、子供もいて。もう配偶者を新たに探す必要のない自分が「着飾る」ことに対する目的がよくわからなくなっていた時に、ふとマキコから、既婚者限定食事会への参加招集が届いた。
そう、あの夜が、すべての始まりだった。
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第2話:先ず、ジャブから始めよ。既婚者デートのお作法
この男から無理やり好かれようとしなくても良いという安堵から、思いつくままを口に出来た。目の前の男に好かれなくても、選ばれなくても良いという気楽さは、何と心地が良いのだろうか。
藤田は始終部屋中に響き渡るような大きな声で笑い、遥の質問が面白くて仕方がないといった様子で、帰り際にごく自然にLINEのIDを聞かれた。その日の内に食事に誘われたが、遥は返信しなかった。
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第3話:既婚女性の本音。そう、私たちは、ニーズを確認したいだけ。
遥たちのグループの役割分担は明確だ。まず、マキコがその時々で喋りたいことをまくしたて、負けず嫌いの紗弥香も自分の持論を展開し続ける。少し天然な亜希は空気を読まない発言をしては、場を凍らせるか和ませるかだ。遥はたいていの場合聞き役に徹する。
最初に衝撃の告白で場を沸かせたのは紗弥香だった。
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第4話:壊したくないものは、何ですか?チヤホヤされたい妻が設定した、既婚者恋愛のルール
いくら相手に惹かれたとしても、決して夫を裏切らない。相手から好かれるのは拒否しないが、自分が相手に溺れそうになったらすっぱりと連絡を絶つ。そうしてほんの少しだけ、女性として丁寧に扱われる時間を過ごすだけー。
遥は「私は世間で騒がれている女のように、道ならぬ恋に溺れたりしないわ」と、自分の考えに満足しながら1人頷いた。
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第5話:耐え忍ぶ妻、遥か過去の如し。与えてもらうのが当然。いつまでもチヤホヤされたい妻たち
「そういえば、男は家の中じゃなくて、外にバラ撒きたいとも言ってたんだよね。そこのところ、男性陣どうなんですか?」
と、耳を覆いたくなるようなことを平気で言う。ただ、和風美人と言える美貌を持つ亜希の上品な口元から発せられると、そう下品に聞こえないのも不思議だ。
「うーん、なんか話がおかしな方向になっちゃったけど…そうだね、僕の場合だと...」
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第6話:本当は私、愛されたいの。夫の愛が手に入らず、つい暴走...。チヤホヤされたい妻の言い訳
自分でも、棘のある言い方をした自覚はあった。今日は会社で時短勤務中の部下の仕事もカバーして、心身ともに疲弊している。疲れを取ろうと立ち寄った馴染みのスパでも、お気に入りのセラピストが休みで全く癒されなかった。それに、この男は私を愛していない。
ーこの男は私を愛していない。
と、心の中でもう一度呟いた後、マキコは久々に感情のコントロールを失った。
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第7話:「34歳は立派なおばさん」と謙遜してみせても。チヤホヤされると浮足立つ妻
34歳という年齢は多くの女性にとって、自分の生き方を振り返るきっかけとなる。結婚を急いでみたり、子供を持つリミットをふと考えてみたりするのだ。
それは妻や母となった後でも美貌を維持し、ファストファッションを買い漁る必要のない遥たちとて例外ではなかった。
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第8話:モノトーンな服しか着なくなった妻に、見向きもしなくなる夫。深まるばかりの夫婦の溝
紗弥香の夫は今、若いアイドルグループに夢中で自分には見向きもしない。年甲斐もなくアイドルの動画を観ながらPCに向かって叫んだりライブに通い詰める様を見ると、怒りと言うよりも侮蔑の感情が湧く。
紗弥香は、そんな夫を見る度に何千回呟いたか分からない独り言を繰り返した。
「何でこんな人と、結婚しちゃったんだろう」
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第9話:いくら夫に、無視され続けても。バリキャリ妻が諭す、不倫すべきではない3つの条件
野田からの一泊旅行の誘いを相談した紗弥香は、「行っておいでよ」というマキコからの返信を期待していただけに、意外なアドバイスに面食らった。
居ても立っても居られず、思わず通話ボタンを押してしまう。自分はしょっちゅう男性と深い関係になっているマキコのそれなりの理由とは、一体何なのだろうか。
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第10話:華麗なる世間知らず妻。母から教わった、結婚生活の秘密のルールとは?
子供ができないことを除けば、夫の祐介に特段不満らしい不満はなかった。だが、不満に思えど子供を持つことにそこまで必死になれない自分もいた。
次々と母親になっていく同級生達を見ていると虚しくなる日もあるが、恋人と気軽に会えなくなるのが耐えられそうにないという気持ちも決して少なくはないからだ。けれども、恋人の話はあの3人にはしていない。なぜなら、彼女達と私には、決定的に違う価値観の差があるから…
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第11話:チヤホヤ願望も、ほどほどに。男でしか満たせない自尊心に、苦しめられた妻の過失
遥が普通の女であれば、結婚と同時にポーセラーツのサロンでもオープンし、妻たちを相手に自尊心を満たしていればよかったのかもしれない。
だが、遥の女としての業は他の女のそれよりも深かった。自分自身の女性としての性を過剰に受け止めてきた人生であった為、とにかく男性からチヤホヤされていないと気が済まなかったのである。
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第12話:女に非難される女と、不自由な結婚生活に幸せなフリが出来ない、妻たちの不幸
確かに自分は、ある層の女達から見たら信じられないと非難されるようなことをしたのかもしれない。だが、それはもう過去の話だ。バレエ教室からのメールにも目を通す。今週から、発表会に向けて土曜日もレッスンが始まるらしい。
遥は娘や夫の好物を次々とカゴの中に放り込みながら、いつの間にか自分の陰口を言っている女達のことも、藤田のことも忘れていたのだった。
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第13話:稼げる妻だからこそ。婚活よりも難しい、「結婚維持活動」でぶち当たる壁とは?
マキコは本気で悩んでいた。果たして、今の自分は本当に夫のことを必要としているのだろうかと。
子供のいない生活も、夫の職場からほど近いということで選んだこのマンションも、六本木のど真ん中での暮らしも気に入っている。多忙な毎日を支えてくれるハウスキーピングサービスやコンシェルジェのいる生活は至極快適だ。
ただ、この暮らしに未練があるかと問われれば、どうだろうか。
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第14話:白黒つけるだけが、正解ではないから。妻たちが結婚を維持する、それぞれの理由
「いくら美味しいステーキでもさ、毎日食べたら飽きるよね。普通だったらたまにはお寿司、たまにはフレンチ、週のうち3日は家庭料理って感じになるじゃない。女の子もこれと一緒なんだよ。」
そんなことを言って、その場の女の子から「サイテー」と言われていた物凄く背の低い、だが物凄く金離れの良い政治家の男を、マキコは思い出していた。
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