チヤホヤされたい東京妻 Vol.5

耐え忍ぶ妻、遥か過去の如し。与えてもらうのが当然。いつまでもチヤホヤされたい妻たち

結婚して妻になった途端、女はオンナでなくなるのだろうかー

かつてはあれほど自分を求めた夫も、結婚後は淡白になり、ただ日々の生活を営むパートナーになった。

外見に気を遣い、綺麗な女であろうとしても、褒めてくれるのは同じ主婦ばかり。

そんな中、自身の市場ニーズを確認するべく、既婚者限定の食事会に参加した遥。

そこで起業家の藤田と出会う。初めは相手にしなかった遥だが、マキコ達の勢いに流されて食事をする。何も無かったことで安心し、調子に乗る遥だったが?


一度コツを掴んでしまえば、夫に対して嘘をつくことは、そう難しいことではない。

そもそも妻と呼ばれる女達が、どれだけ夫に対して本音で喋っているのかも分からない。

結婚後1年が経つ頃には、遥は小さな嘘が家庭を円満にすることを学んだ。

ねぇ、怒っているの?と聞かれ、怒っていないと答える。得意そうに話していることに、同意していなくても相槌を打ってやる。

だから遥は、夫の大輔から何故そんなに機嫌がいいかと問われても、別に何でもないわと答え、夫がしつこく追及してこないことに安堵し喜んだ。

もっとも、こんな喜びには幾らかの落胆が混じっていることに、遥は気づいていない。



「だから、本当にそう言ったんだってば」

酔って陽気になったマキコは、本当に面白い。

「結婚してすぐかな。夫がね、俺は8ヶ月以上同じ女と付き合ったことがないから、それ以上続いているマキコにどうやって欲情したらいいのか分からない、って言うのよ」

「いや、気持ちは分からなくもないですけど、そんなこと、マキコさんに言うなんて…」

マキコの後輩だという男は、信じられないといった様子で目を丸くしている。

今夜は西麻布の『田中田』で食事会だ。この寒い季節に食す、鍋とシャンパン。最高の組み合わせだ。

紗弥香が欠席ということで、亜希と遥、マキコの3人で参加した。今夜のマキコはいつも以上にお喋りだし、亜希は天然炸裂といった様子で場を盛り上げる。

「そういえば、男は家の中じゃなくて、外にバラ撒きたいとも言ってたんだよね。そこのところ、男性陣どうなんですか?」

と、耳を覆いたくなるようなことを平気で言う。ただ、和風美人と言える美貌を持つ亜希の上品な口元から発せられると、そう下品に聞こえないのも不思議だ。

「うーん、なんか話がおかしな方向になっちゃったけど…そうだね、僕の場合だと...」

急に前かがみになった男の話に、一同は耳をそばだてる。

【チヤホヤされたい東京妻】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo