SPECIAL TALK Vol.8

~既存メディアの良質なコンテンツをスマホの利用者にも、もっと知ってもらいたい~

金丸恭文氏 フューチャーアーキテクト代表取締役会長CEO

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。産業競争力会議議員、規制改革会議委員、内閣官房IT本部 本部員、経済同友会 副代表幹事、NIRA代表理事を務める。

インターネットの先を読み常に最前線に立ち続ける

金丸:会社設立からわずかな期間で東証マザーズ上場を果たし、その1年後には、東証一部に上場。当時華々しいご活躍をされていたと記憶しています。そして、現在は株式会社グライダーアソシエイツの代表取締役社長を務められています。こちらでは、東京カレンダーWEBもお世話になっています。

杉本:スマートフォンアプリのキュレーションマガジン「Antenna」ですね。こちらこそお世話になっております。400ぐらいのコンテンツプロバイダーの方からコンテンツを提供してもらい、配信しています。

金丸:Antennaは、メディアの在り方が変わりつつある、その象徴的なサービスだと思います。背景には、若かりし頃の既存のメディアへの想いのようなものがあるのでしょうか?

杉本:そうですね。当時思い描いていたジャーナリズムやメディアへの夢に、いま近づいている感覚がありますね。徐々に片足を突っ込んでいっています。

金丸:資本家になられた上で、夢に向かっていらっしゃるのですね。

杉本:はっきり言って、既存メディアへの接触時間は減っていますし、テレビや雑誌のレイティング、接触時間も右肩下がりです。しかし、私は本当にクオリティの高いコンテンツは、いまだに既存のメディアにあると考えています。

いくらYouTubeで検索しても、素晴らしい動画に出合える可能性は低い。オンラインマガジンも同様です。そう考えると、既存のメディア産業は、実力のあるクリエイターやプロのライター、フォトグラファーの方々を擁する、非常に可能性のある産業だと思っています。

金丸:スマートフォンへの接触時間は倍々ゲームで増えている一方で、右肩下がりの既存メディアにこそ、本物の情報資産があるという状況を危惧しておられるのですね。

杉本:せっかくいいものがテレビや新聞、雑誌にあるのに、その存在を知らずにスマホで情報を得る社会が醸成されています。それが、元々メディア大好きだった私からすると、我慢ならないのです。私たちAntennaが主体になるのではなく、“世の中にはたくさんの良質なコンテンツがある”ということを、スマホの住民の方々にも知っていただきたいという思いで、キュレーションメディアを作りました。

金丸:杉本社長のメディアへの思いと、リクルートで培った新たな市場を創る仕組み。このふたつを結合して、まさに新しいメディアを創り上げたのだと思います。

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