SPECIAL TALK Vol.8

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新聞を読み、記事を書くメディアと経済に傾倒した大学時代

金丸:大学は、早稲田の社会科学部に進学されます。大学時代の思い出というと、どんなことが思い浮かびますか?

杉本:新聞でしょうか。

金丸:それは意外ですね。映画ではない?

杉本:当初は映画サークルに入ることを考えていたのですが、あまりにもサークルの数が多かったのと、どこも知識の口プロレスのようなことをやっていて、何か違うな、と感じたんです。

たとえば「お前フェリーニって知ってるのか?」とか「ヒッチコックの長回しがどうこう」とか。「それを知らないと、映画って撮れないんですか?」って思いました。それで、結局入ったのが、早稲田ガーディアンという英字新聞会でした。

金丸:どうして新聞だったのですか?

杉本:実は私、中学時代から歴史が苦手で、どう頑張っても頭に入ってこなかったんですね。過去のことにはあまり興味が持てなくて……。ところが、政治や経済のことは驚くほど頭に入ってくる。

早稲田大学を受験したのも、政治・経済で受験できたからでした。そんな背景もあり、大学生になったら、とにかく新聞が読みたいと思って、一人暮らしで金銭的な余裕がないなか、日経新聞と朝日新聞の2紙をとり、毎朝3時間かけて読み終えてから学校に行く、という生活を送っていました。

金丸:素晴らしい学生ですね。私は学生の頃、日経新聞の存在すら知りませんでした。ということは、経済や政治のことを随分理解されていたのではないですか?

杉本:そうですね。経済用語はほとんど頭に入っていたと思います。早稲田ガーディアンは、私が在籍していたとき、すでに50数年目という老舗のサークルで、早稲田の学生生活の様子をアメリカやヨーロッパの姉妹校に紹介する記事をよく書いていました。

その一方で、英字新聞の出版費を稼ぐため、大学入試の時期には「早大生の早大生による早大情報誌」を作り、大隈講堂の前で売っていました。受験にきた高校生が次々に買ってくれて、この情報誌で、300万円ぐらいを稼ぐ、すごくビジネスセンスのあるサークルでした(笑)。

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