SPECIAL TALK Vol.7

~目指すべきは、価値あるものを認める社会。信頼のある“日本のものづくり”が世界で戦うカギとなる~

2020年のニューリーダーたちに告ぐ

伊勢丹、三越という世界屈指の百貨店を有し、日本の百貨店業界を牽引する『三越伊勢丹ホールディングス』。2008年に歴史的な統合を果たし、2012年からトップを務めているのが代表取締役社長執行役員の大西洋氏だ。

新卒で伊勢丹に入社し、紳士統括部長、常務執行役員などを経て社長就任。2013年には「ファッションの伊勢丹」を取り戻すべく、婦人フロアの全面リニューアルを行い、伊勢丹の求心力を高めてきた。

ファッション業界を牽引し、消費者を魅了し続ける、その原動力はどこにあるのか。次世代の東京GENTSが社会を勝ち抜くためのヒントがここに。

大西 洋氏 三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員

1955年東京都生まれ。1979年慶應義塾大学商学部卒業、伊勢丹(現三越伊勢丹)入社。紳士統括部長などを経て、2008年に三越常務執行役員および伊勢丹常務執行役員。2009年伊勢丹社長。12年2月より現職

金丸:本日はお越しいただき、ありがとうございます。伊勢丹新宿店をはじめ、いつも利用させていただいております。つい先日も伊勢丹アイカードを作らせていただいたばかりでして(笑)。

大西:ありがとうございます。こちらこそ光栄です。

金丸:今日は大西社長のバックグラウンドや仕事への取り組み方など、いろいろと伺えればと思っております。早速ですが、大西社長はどちらのご出身でしょうか?

大西:東京の世田谷です。下北沢の隣にある代田というところで育ちました。私が子どもの頃は緑や畑が多く、今では想像もつかないほど田舎でした。

金丸:麻布高校から慶應義塾大学へと進学されています。

大西:中学は桐蔭学園で、その後、麻布高校に進学しました。当時は学生運動が盛んでして、高校でもロックアウトで学校が封鎖されるような状況でした。私は政治活動をするようなタイプではなかったのですが、学生運動の影響で1、2年の空白期間ができてしまい、結局1年浪人して大学に入りました。

金丸:大学時代はどのようなことをされていたのですか?

大西:1年生のときは体育会のゴルフ部に所属しており、毎日練習に明け暮れていました。ほかには、料理部とマスコミ関係のクラブにも入っていまして、そのクラブでは、大手スポーツ新聞の記事を書いていました。

きっかけはファミリーレストラン。人の心を動かす仕事を志す

金丸:大学卒業後、伊勢丹に入社されました。はじめから百貨店を中心に就職活動をされていたのでしょうか?

大西:いいえ。はじめはスポーツ記者の経験を活かして、雑誌やテレビなどのメディア系を受けていました。しかし成績が悪くて、どこもダメだったんですね(笑)。それで、どうしようかと思っていたときに、当時流行っていたファミリーレストランの接客やホスピタリティを見て、非常に感動したんです。いまでは当たり前ですが、たとえばオーダーする前に水を持ってきてくれるといったサービスは、当時はあまりなかったものですから、こういう人の心を動かすような仕事に大変興味が湧きまして、ある外食産業を受けました。無事内定をいただいたのですが、母から「それほど接客が好きなら、この会社は?」と薦められたのが伊勢丹でした。ですので、はじめからどうしても百貨店に行きたかったというわけではないんです。

金丸:そのような経緯で入社された方が、いま社長でいらっしゃるのは意外な気もします。

大西:結局、お客様と接するのが好きだということが根底にあるのだと思います。私は小さい頃から感受性が強く、特につらいときや苦しいときに人から何かしてもらうと、人一倍感謝しましたし、心を大きく動かされました。そういったことから、感動を知らないお客様に感動を与えられる仕事がしたいと思っていました。

金丸:つまり好きな道を選ばれたということですね。

大西:それは間違いないですね。

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