婚活ひとり飯 Vol.13

2020年ヒット小説総集編:「婚活ひとり飯」(全話)

男性がひとりで外食するのは受け入れられているのに、未だに世間では、女性がひとりで外食するとなると敷居が高い。

しかし最近、女がひとりでも気軽に入れるハイセンスなお店が増えているのをご存知だろうか。

広告代理店に勤務する桜木佳奈も、最初は「女性ひとりでご飯なんて」と躊躇していた一人だ。

時は、2019年。35歳の佳奈は婚活に奮闘していた。

だが、彼女が見つけた楽しみは、だれにも気を使わずひとりで食事をする時間。

そうして“女ひとり飯”をしていくうちに、人生も回り始めていき…。


2020年は、本当にありがとうございました。2020年ヒット小説総集編、「婚活ひとり飯」一挙に全話おさらい!

第1話:浮気相手は、10歳年下の女…。結婚が絶望的になった独身女の「涙のラザニア」

「えぇ〜!先輩、結婚ですか?それって…本当ですか?」
「当たり前じゃない。ようやく結婚だぁぁぁ!」

こうして私は誕生日当日、婚約指輪がはまった左手や、プロポーズされた時の反応などの妄想を存分に膨らませながら 、『ジョエル・ロブション』の格式高い店内へと足を踏み入れた。

準備は、完璧だった。けれども、まさかこの日が人生最悪の日になるなんて、この時の私には想像さえ出来なかったのだ。

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第2話:年下男の甘い誘惑に溺れかけて…。35歳の寂しい女を刺激した「魅惑のジントニック」

私が、恭平から振られたことを真っ先に報告したのが、本日の食事会の主催者・美咲だ。

学生時代からの友人である美咲は、私の失恋を知るや否や、ここぞとばかりに一肌脱いでくれた。そうして、ハイスペな旦那様の同僚を私に紹介する場をさっそく設けてくれたのだ。

—ナイス、美咲。

拓哉さんを見ながら、心の中でそう呟く。そのときの私は、この一見楽しそうな食事の後、まさか一人で飲みなおすことになるとは思ってもいなかった。

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第3話:「もう私、お呼びじゃないの…?」若者だらけの集まりに放り込まれた、35歳女の屈辱

「では、乾杯しますか〜!!」
「かんぱ〜い!!」

若い20代の男の子に挟まれながら、分厚いワイングラスで、チープな味のする白ワインを口に含むと、その強いアルコールの香りにむせそうになる。

今日は後輩が呼んでくれた食事会の日。カリフォルニアをイメージしているかのようなお店。いわゆる、“お洒落カフェ”と言うのだろうか。夜ご飯をこういったお店で食べるのは、久しぶりだった。

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第4話:男ウケ100点満点の年下女子に、男を略奪された女。追い詰められた女が取った行動とは

後輩に長年交際していた彼氏を取られるなんて、情けないにもほどがある。

「ハァ。何だかなぁ」

今日は金曜だと言うのに、何の予定もない。重い足取りでオフィスを出て、帰宅後にオーダーするUber Eatsで何を頼もうかと考えていた、その時だった。

「佳奈…」

聞き慣れた、柔らかくて優しい声。何度この声を懐かしんだだろうか。目の前には、ちょうどオフィスから出てきた恭平の姿があった。

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第5話:「誰とも“しっくり”こないんです...」突然の男の独白に戸惑った女が、咄嗟にやったコト

全てがぴったりで、私は自分からいいねを押してみた。すると向こうからもすぐにいいね返しが来て、見事にマッチング。そこから何度かメッセージのやり取りをし、会うことになったのだ。

—なぁ〜んだ。意外に、恋愛って簡単にできるじゃない。

マッチングをして、すぐにデートの約束まで漕ぎ着けられ、私は完全に浮かれていた。

だが現実はそんなにも簡単なものではないということを、この1時間後に悟ることになるのだ。

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第6話:「本当は、このまま朝まで一緒にいたいんだ…」女がその気になった途端、発覚した男の素性とは

同期の中でも、大輝はダントツに仕事ができた。幼稚舎上がりの正統派のイケメンで、家柄も外見も良い。実は入社当時、密かに良いなと思っていた。

しかし当時からモテた大輝は、同じ大学卒のアナウンサーと交際中で、早々に諦めたせつない思い出がある。

5年前に彼が辞めてから会っていない。突然連絡がくるなんて、どういう風の吹き回しか分からないが、これはデートの誘いということなのだろうか。

私はすぐに返信を打って、二人で食事することになった。こうして久しぶりに会った大輝は更にカッコよくなっており、人としての厚みが増していた。

しかしこのデートには、まさかのオチがついてきたのだ。

第6話の続きはこちら

第7話:鮨屋のカウンターで起こった珍事件。女が遭遇してしまった、最悪の相手とは

同期の中で一番親しい美奈子は、一連の流れをすべて知っている。しかし美奈子の方も昨年婚約破棄したばかりで、お互い共感できる部分があり、このお店の予約が取れた時に真っ先に連絡したのが美奈子だったのだ。

「人生色々あるよねぇ…ま、今日は飲みますか。それにしても、佳奈の鞄可愛いね。ヴァレクストラ?」
「そうそう!思い切って買っちゃった〜♡」

そんな女子トークに、花を咲かせようとした時だった。ガラガラっと音がして、店の扉が開く。そしてその瞬間に、お猪口が指から滑り落ちそうになった。入ってきたのは、一番会いたくない、恭平とルミちゃんだったのだ。

第7話の続きはこちら

第8話:「結婚するためには、そんなことまでしなきゃダメ?」30代の女が痛感した、リアルな婚活事情

婚活バイブル本のような物に一応目を通してきたが、それによると、こういったお見合いパーティーを制するのは、“清楚で可愛らしく、女子アナのような知性と品を兼ね備えている女性”らしい。

—そんな女性、とっくに結婚してると思うけど?

内心、憎まれ口を叩きながらも、Theoryのベージュのワンピースに、ヒールがいつもより低めのパンプスで会場にやって来てしまった自分がいる。(ちなみに、高価な指輪などのブランド物は全て外してきた)。

けれども、さっきから新しい男性に会えば会うほど、心がすり減っていくのは気のせいなのだろうか…

第8話の続きはこちら

第9話:5コ下の彼との初デート。年下男が放った一言で、35歳女の心に春が訪れた瞬間

賢人が予約してくれたのは、広尾にある和食店だ。

広尾駅からガーデンヒルズ方面を目指し、坂を上がって静かな高級住宅街を歩く。西麻布交差点からも近いけれど、この辺りはいつ来ても凛とした静けさに包まれている。

店にたどり着いた私は、“ふぅ”と小さく息をしてから扉を開けた。

第9話の続きはこちら

第10話:「好き」と伝えるのは、恥ずかしいことじゃない。体裁を気にしていた女が見つけた答えとは

デートの翌日にお礼のLINEこそし合ったものの、そこから連絡は来ていない。しかも前回のデートで、賢人は颯爽と消えていった。どこへ行ったのかわからないし、あの後誰かに会っていたのかどうかも不明だ。

不安で胸が押し潰されそうになる中、私は洗面台の前でさっきから一生懸命メイクをしている。なぜならば、恭平と別れたことを知った母が、有無を言わさず強制的に“お見合い”をセッティングしてしまったからだ。

「面倒だなぁ…お見合いかぁ…仕方ない。頑張ろう」

気合を入れ直し、指定された場所へと向かう。お相手は、お父様の会社を継いでいるという42歳、独身の方だった。

第10話の続きはこちら

番外編:「他人の物を欲しがる人生は、もうやめた…」男に持て囃されてきた女が見つけた、大事なもの

学生時代から既に体験していた、西麻布の会員制バーに、高級お鮨屋さん。ビジネスクラスでのハワイ旅行に、知り合いのプール付き別荘での豪勢なパーティー。正直、就職活動の時もそこまで苦労した記憶はない。

「やっぱり、女は外見が勝負よね〜」

そう本気で信じていた。欲しい物はほとんど手に入れてきたし、自分を中心に世界が回っていると思っていた。

社会人になるまでは。そして、あの二人に会うまでは・・・

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