婚活ひとり飯 Vol.7

鮨屋のカウンターで起こった珍事件。女が遭遇してしまった、最悪の相手とは

男性がひとりで外食するのは受け入れられているのに、未だに世間では、女性がひとりで外食するとなると敷居が高い。

しかし最近、女がひとりでも気軽に入れるハイセンスなお店が増えているのをご存知だろうか。

広告代理店に勤務する桜木佳奈(35)も、最初は「女性ひとりでご飯なんて」と躊躇している一人だった。

だが10歳年下の後輩・ルミに彼氏を取られ落ち込みつつ涙のラザニアなど“女ひとり飯”をしていくうちに、賢人と出会う既婚者に捕まりそうになったものの人生も回り始めていき…。


鮨屋のカウンターで女ふたり。


「ああ、最高。なんて幸せなんでしょう♡」

金曜夜20時。私は仕事を終え、同期の美奈子と鮨屋のカウンター席で目を輝かせていた。

ずっと前から予約をしており、楽しみにしていた本日のディナー。飲むと一人5万円はくだらないお店だが、私も美奈子も今日のために今週は外食を控えめにして、張り切っていた。

「本当に、こんな素敵なお店に来られるって最高だよね。しかし佳奈も色々大変だね〜。…お疲れ様」

美しい江戸切子のお猪口を、お互い目を合わせながら軽く上げて日本酒を一気に飲み干す。

「まぁね… 散々だわ。っていうか、美奈子もお疲れ様」

同期の中で一番親しい美奈子は、一連の流れをすべて知っている。しかし美奈子の方も昨年婚約破棄したばかりで、お互い共感できる部分があり、このお店の予約が取れた時に真っ先に連絡したのが美奈子だったのだ。

「人生色々あるよねぇ…ま、今日は飲みますか。それにしても、佳奈の鞄可愛いね。ヴァレクストラ?」
「そうそう!思い切って買っちゃった〜♡」

そんな女子トークに、花を咲かせようとした時だった。ガラガラっと音がして、店の扉が開く。そしてその瞬間に、お猪口が指から滑り落ちそうになった。

入ってきたのは、一番会いたくない、恭平とルミちゃんだったのだ。

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