男性がひとりで外食するのは受け入れられているのに、未だに世間では、女性がひとりで外食するとなると敷居が高い。
しかし最近、女がひとりでも気軽に入れるハイセンスなお店が増えているのをご存知だろうか。
広告代理店に勤務する桜木佳奈(35)も、最初は「女性ひとりでご飯なんて」と躊躇している一人だった。
だが、婚活に奮闘しながら彼女が見つけた楽しみは、だれにも気を使わずひとりで食事をする時間。
そうして“女ひとり飯”をしていくうちに、人生も回り始めていき…。
「ジョエル・ロブション…」
会社のデスクで、彼から来たLINEの文面を何度も読み返した。
明日は、私の35歳の誕生日。待ちに待ったこの日が、遂にやって来たのだ。
同期の恭平と交際して、もう4年になる。お互い良い年齢だし、周囲が続々と結婚していく中、私の焦りは日々募っていた。
だけどそんな毎日にも、ようやく終止符を打てそうだ。
お祝いディナーの場所は、泣く子も黙る、プロポーズレストランの最高峰とも言われる『ジョエル・ロブション』と来た。
「私、遂に結婚します!」
同じ部署で、10歳年下の可愛い後輩・ルミちゃんにスキップで駆け寄り、そう報告すると、彼女は目をまん丸にして驚いている。
「えぇ〜!先輩、結婚ですか?それって…本当ですか?」
「当たり前じゃない。ようやく結婚だぁぁぁ!」
こうして私は誕生日当日、婚約指輪がはまった左手や、プロポーズされた時の反応などの妄想を存分に膨らませながら 、『ジョエル・ロブション』の格式高い店内へと足を踏み入れた。
準備は、完璧だった。
けれども、まさかこの日が人生最悪の日になるなんて、この時の私には想像さえ出来なかったのだ。
この記事へのコメント
じゃあラザニア作った相手ってロブションで振ったやつと同一人物なの?社内だから知らないわけないし、先輩の彼氏取っておいてルミちゃんは「婚約おめでとうございます〜」とかいってたの?
スーパーサイコパス女だな...恐怖しかないわ...