
同級生の女からの無茶な依頼に、言いなりに…。知らぬ間に復讐の片棒を担がされていた女
女は、仮面を被った生き物だ。
優しい微笑みの裏に、怒りや悲しみ、ときに秘密を隠し、本当の自分を偽りながら暮らしていく。
たとえば聖女のような女にだって、裏があるかもしれない。
それを美しい仮面で覆い隠しながら、生きているのだ。
◆これまでのあらすじ
恵子が高校生の頃、聖陽女学院で、ある一人の女生徒が、理由もわからず突然転校していった。
あれから10年。27歳となった恵子たちの前に、美しく姿を変えて現れた絹香。
絹香はついに、自分を学校から追い出した真犯人にたどり着いた。その仮面を剥ぐために、恵子を家に招き、とうとう真実を打ち明けようとする…。
「今日はありがとう。」
出迎えた私に、恵子は少々気まずそうに微笑んだ。
「絹香…。あの、これ。お好みかどうかわからないけれど。」
そう言って恵子は、老舗百貨店の紙袋を差し出した。お礼の言葉と共に受け取ったそれは、見た目より重くずっしりとしている。
「そういえば......
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