夫の寵愛 Vol.5

「やっと2人きりになれた…」夫が知らない、妻と同僚の会話。その衝撃の内容とは!?

大抵どんな夫婦にも、互いに“秘密”があるものだ。

『愛しているからこそ、全てを知りたい』

そう考えた一人の男がいた。

愛しすぎることは、罪なのか……?

◆これまでのあらすじ
料理教室を営む里紗(33)は、秘密にしていた過去を、夫の毅が知っていたことに混乱していた。一方で、謎の人物から「ご主人のことで話がある」という内容のDMが届き続けて…。

▶前回:33歳女の職場に突然訪問してきた、過去の男。彼から告げられた衝撃の真実


『わかりました。会いましょう』

謎のアカウントから送られ続けたInstagramのDMに、里紗は初めて返信した。

だが、その日を境に相手からDMが来なくなった。

―えっ?どういうこと?

あれだけ『ご主人のことで話がある』と言ってきたのに、『会いましょう』と伝えた瞬間から音信不通になるとは…。

やはり悪質なイタズラだったのだろうか。

弄ばれたような気がして、里紗は落胆していた。ここ数日、キッチンスタジオでの作業にも集中できていない。

「――さん!里紗さん!」

自分を呼ぶ声にハッとする。加奈子が、こちらを覗き込んでいた。

「ごめん、考え事してたわ」

「最近の里紗さん、ボーッとしすぎですよ」

声をかけたのは加奈子だったが、その隣では、藤原梓も心配そうにしている。

「ちゃんと休んでますか?」

梓も、加奈子と同じく、雇ったばかりのデリバリー事業のスタッフだ。

管理栄養士の資格を持つ彼女は、年齢は里紗と加奈子のちょうど中間で31才。口数は少ないが、黙々と、丁寧に、手早く作業をこなしてくれる。

これまで何度か料理教室に参加してくれていたが、里紗が教えることなど何もなく、むしろプロ級の腕前の梓に試されている気さえした。

「少し休憩されたらどうですか?」

梓が言い、加奈子も同調する。

「そうですよ、散歩でもしてきてください。こっちは私たちでやるんで」

「ありがとう。じゃ、みんなの分のコーヒー買ってくるね」

スタッフたちの言葉に甘え、里紗はスタジオを出る。

目黒川に沿って歩きながら何の気なしにスマホを開くと、次の瞬間、体がビクッとして足が止まった。

例のアカウントからDMが届いていたのだ。

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