女は、仮面を被った生き物だ。
優しい微笑みの裏に、怒りや悲しみ、ときに秘密を隠し、本当の自分を偽りながら暮らしていく。
たとえば聖女のような女にだって、裏があるかもしれない。
それを美しい仮面で覆い隠しながら、生きているのだ。
◆これまでのあらすじ
恵子が高校生の頃、聖陽女学院で、ある一人の女生徒が、理由もわからず突然転校していった。
あれから10年。27歳となった恵子たちの前に、美しく姿を変えて現れた絹香。恵子は彼女から、「自分を高校から追い出した犯人を捜している」と打ち明けられる。
その頃、萌が行方不明になったと連絡を受けて…?
「萌が、行方不明になっている」。
さくらから連絡を受けた恵子は、自宅からほど近い手嶋の家へと急いで向かっていた。
―まさか、萌は手嶋君の家に行ったんじゃ…?
時計はすでに22時を回り、萌が恵子の家を後にしてから、もう何時間も経っている。
萌は、近所で用事がある......
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この記事へのコメント
過去の男にここまでの執着って