港区界隈に生息している、40代・既婚の男たち。その名も「ダディ」。
仕事での成功は当たり前。
ハッピーな家庭も築き、アッパーエリアの公園に出没。
夜はイケてる腕時計をチラつかせ、「オッサン」を自称しつつ、部下にシャンパンを奢る余裕もある。
自他共に認める勝ち組オトコ、それが「ダディ」だ。
これは、今まであまり表立って語られたことのなかった、彼らの物語である。
「ダディ」一挙に全話おさらい!
第1話:40代最強説。家庭も仕事も無双状態の男が、“オス”モードのスイッチを押された夜
妻の朋美は「港区なんてママ友とのお付き合いが大変そう」と尻込みしていたが、小学生ともなるとそうした付き合いはグッと減るらしい。子供が学校に行っている間に近所の洒落たカフェでバイトをしたりと、意外と楽しそうで安心している。
ふと、思う。青臭く、若さと性欲を持て余し気味だった20代・30代よりも、経済力も大人の落ち着きも基盤も手に入れた40代が、男としては1番イケてるのではないか?と。
リョウがそう思うのにも、然るべき理由があった。
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第2話:「妻にはバレない」は、絶対ありえない。40代男を窮地に陥れた、若い美女からのメッセージとは
「美優ちゃん、今日も可愛いねぇ。パパはね、美優ちゃんが大好きだ…」
「知ってるよ。毎日言わなくてもいいって」
美優にツレない態度を取られても、リョウはくじけない。だが、いつもはこんな父娘のやり取りにすかさず笑ってくれるはずの朋美が無言なのが気になった。
ーこれは何か、ある…。
朋美に似たシンプルな服装でランドセルを背負い、美優が家から出て行ってしまうと、リョウが朋美と長年過ごして培ってきた嫌な予感は、見事的中してしまうのだった。
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第3話:真夏の罠、それは"既婚者限定クルージング"。華やかな人妻の魅力に悶える、40男の苦悩
ヘッドハンター、知り合いの経営者に友人。果てはFacebookに至るまで、ありとあらゆる手を使い適任者を探している。それなのに、リョウがこれぞと思う優秀な人材は、大手企業にがっちりホールドされているか、自らベンチャーを立ち上げているのだ。
「…社長、聞いてますか?」
向かいのデスクから、加納が生真面目な声でこちらに呼びかけていた。
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第4話:真面目アピールするイクメンに限って、実は一番遊んでいる?4年間信じてきた男の不貞行為
ー家族を悲しませないよう、身の振り方には十分気をつけよう。そのためにも、1から始めたつもりでもう一度会社にも真剣に向き合うのだ…!
これからは人任せでなく、もっと会社の人間にも真摯に向き合うことを誓ったリョウは、積極的に主役の加納やその他のメンバーを見渡した。
加納は、アルバイトの渡辺まりえから花束を渡され上機嫌で、何故か2人でツーショット写真を何枚も撮っている。よく観察していると、体の距離も異様に近い。リョウが不審に感じていると、宏樹がすかさず耳打ちしてきた。
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第5話:「そこまでやるか…」。ハイスペック港区パパの戦い。イクメンの皮を被ったゲス男の、最低な手口とは
「えー。まぁ、ママも行くならいいけど…」
美優はぶつぶつと呟いている。もう、どこへ行くにも嬉々としてリョウの後に付いてきてくれた幼き日の娘はいない。少し寂しい気もするが、それはそれでいいのだ。こうして結局は運動会に観に来てくれる、というだけでありがたい。
喜びに浸っていると、朋美がふと思い出したように言った。
「そういえばマリちゃんの園の系列のプリスクールって、加納くんもお子さん通わせてたよね?バーベキューの時、ママ同士でそんな話題になったの、覚えてる」
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第6話:男がジュエリーを贈りたがるのは、浮気の証…?夫は知らない、妻ネットワークの脅威
「おととい四郎さんの奥さんからね、”運動会の件ありがとうございます、お礼に今度ランチでもいかがですか”ってLINEが来たの。もちろん、行ったわよ」
ー四郎ちゃんの奥さんと朋美がランチをして、なぜ俺が浮気をしていることになるんだ…?
そして次に朋美が発した言葉に、リョウは思わず二の句が継げなくなってしまう。
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第7話:女よりもタチが悪い…。ライバルを陥れるため、“20代美女”という罠を仕掛けた男
「ねー、社長も一緒に写真撮りましょうよー♡」
ほろ酔い気分で撮影に応じようとして、リョウはハッとした。
ー20代の女の子とのツーショット写真なんて、もしまた朋美に見られたら?
今夜のリョウは疑い深い。
ー朋美をこれ以上心配させるようなことは、どんなに小さなことでも気をつけなければ…。
そしてリョウは、この夜の自分の妙な疑い深さと勘の良さに、後々感謝することになる。
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第8話:「女のくせに、上から目線かよ」。妻にブチ切れ、1歳半の我が子に八つ当たりするサイテー夫の言い分
「あら、飯塚さん!!お久しぶりです。色々とご挨拶もできずに…」
そして、恐らくこちらも内情を知らされていないであろう加納の妻が、いかにも人の良さそうな笑顔を向けて話し始める。
加納とリョウはお互い牽制し合うが、妻たちはお構いなしに喋り出した。
そして何も知らない朋美が、とんでもない発言をしてしまったのだ。
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第9話:忽然と姿を消した、夫。自信満々で起業した男が、わずか2ヶ月で倒産の危機を迎えた理由とは
「パパ、今日は頑張ってね!絶対勝てるよ。ママと応援してるから!」
無口なリョウの様子を見て、美優がいつになく素直な声でそう声をかけてくれた。
だが、リョウはリレーに出ることだけに緊張しているのではない。
広い園内を見渡し、無意識に緊張の原因である加納の姿を探していたー。
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第10話:「浮気なんて、しなきゃよかった…」若い愛人に溺れたゲス男が、妻を失いたくないと思い直す瞬間とは
「ご主人、お仕事かしら?うちもなの。もう、運動会の日くらい休んでほしいわよねぇ」
「それが…」
加納の妻は言葉を濁しているが、今にも泣き出しそうな表情だ。朋美はサッと何かを感づいたようで、美優に声をかけた。
「美優、マリちゃんの髪の毛、やってあげて。ちょっとママたちお話があるから」
そうして妻たちは、運動会が始まる15分前だというのに園庭の隅に消えていくのだった。
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