真夏の罠、それは"既婚者限定クルージング"。華やかな人妻の魅力に悶える、40男の苦悩

港区界隈に生息している、40代・既婚の男たち。その名も「ダディ」。

仕事での成功は当たり前。

ハッピーな家庭も築き、アッパーエリアの公園に出没。

夜はイケてる腕時計をチラつかせ、「オッサン」を自称しつつ、部下にシャンパンを奢る余裕もある。

自他共に認める勝ち組オトコ、それが「ダディ」だ。

これは、今まであまり表立って語られたことのなかった、彼らの物語である。

好調な”ダディライフ”を送っていたリョウ（42）だが、若い美女と気軽に交換したLINEのメッセージを見られ、会社の右腕に去られそうになるなど、その生活に陰りが見え始めた。

「ただいま戻りました！」

あぁ、あちぃ〜とボヤキながら騒がしげに社に戻ってきた加納を、リョウはまじまじと見つめてしまう。

離職を告げられて以来、まるで片思いをする女子中学生のように、加納の一挙一動を追いかけてしまうのだ。

口に出して認めてしまうのは悔しいが、はっきり......