ダディ Vol.2

「妻にはバレない」は、絶対ありえない。40代男を窮地に陥れた、若い美女からのメッセージとは

港区界隈に生息している、40代・既婚の男たち。その名も「ダディ」。

仕事での成功は当たり前。

ハッピーな家庭も築き、アッパーエリアの公園に出没。

夜はイケてる腕時計をチラつかせ、「オッサン」を自称しつつ、部下にシャンパンを奢る余裕もある。

自他共に認める勝ち組オトコ、それが「ダディ」だ。

これは、今まであまり表立って語られたことのなかった、彼らの物語である。

好調な”ダディライフ”を送っていたリョウ(42)だが、パパ友・四郎ちゃんの影響で32歳の美女とうっかり連絡先を交換してしまう。


「おはよ〜」

午前7時。娘の美優が起きた声を確認し、リョウもいそいそとベッドから出る。

朝は、愛娘の顔を見てから出勤するのが何よりも楽しみなのだ。社長であるリョウの出社時間は決まっていないが、美優のためにこうして起床時間を合わせる。

リビングに向かうと、カウンターキッチンから味噌汁の良い香りが漂っていた。昨晩は酒ばかりで、あまり腹持ちの良いものを食べていなかった。リョウのお腹は、みっともないほど大きな音を立てる。

「おはようママ!お味噌汁良い匂いだね〜」

機嫌よく声をかけたのに、朋美から返事がない。なぜかツンとすました顔のまま、キッチンでせわしなく動いている。

そしてよく見ると、テーブルの上には美優の分の朝ごはんしか用意されていないのだ。

「あれ?俺の分は?」

改めて声をかけたがやはり無視され、リョウは渋々、自分で箸や茶碗を用意する。そこに、着替えを済ませた美優が入ってきて、不穏な空気は一気に薄まった。

「美優ちゃん、今日も可愛いねぇ。パパはね、美優ちゃんが大好きだ…」

「知ってるよ。毎日言わなくてもいいって」

美優にツレない態度を取られても、リョウはくじけない。だが、いつもはこんな父娘のやり取りにすかさず笑ってくれるはずの朋美が無言なのが気になった。

ーこれは何か、ある…。

朋美に似たシンプルな服装でランドセルを背負い、美優が家から出て行ってしまうと、リョウが朋美と長年過ごして培ってきた嫌な予感は、見事的中してしまうのだった。

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