恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.10

「彼と、朝まで一緒にいたい」恋に溺れ、理性を失った人妻が犯した愚かなミス

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

派手な女子大生生活の後、総合商社での理不尽な社会人生活に疲弊した里奈は、7つ年上の直哉と結婚したが、仮面夫婦に陥ってしまう。

そんな中、里奈は廉の結婚式に呼ばれ、彼への友情が変化し始める。そしてサークルの同窓会で再会し、ついに廉と結ばれてしまう


―今日の夜まで東京にいるから、もし会えたら連絡してー

昨夜、ベッドの中でに囁かれた言葉が耳にこびりついて離れない。

廉はまだ、あのホテルの部屋で一人眠っているだろうか。

時刻はもう昼近く。すっかり目は覚めているのに、身体中に染み込んだ彼の余韻を味わっていたくて、私はなかなかベッドから起き上がれずにいる。

「リナ、いい加減に起きろよ。ランチどうする」

すると突然、夫の直哉の怒りを含んだ声が寝室に響いた。

「...ごめん、今何か作るから...」

「いいよ、どうせ二日酔いだろ。その辺に食いに行こう。はやく支度して」

返事をする前に、ドアが大きな音を立てて乱暴に閉まった。

私は一人ワザとらしく溜息をつきながら、ゆっくりと起き上がる。

今まで浸っていた甘い感情から一転、心の中が夫へのギスギスした対抗心で染まっていく。

直哉が浮気をしても、連絡なく出張の日程を延ばしても、スマホの中で知らない女とイチャついたLINEを交わしていても、私の心は冷えて麻痺するばかりで、こんな感情を持ったことはなかった。

それなのに。

自分が他の男と寝た途端、夫への激しい嫌悪感が目覚めるのは不思議だった。

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