2018.08.06
続・二子玉川の妻たちは Vol.1あなたは覚えているだろうか。
有り余る承認欲求のせいで、ただの主婦ではいられない二子玉川妻たちの戦いを。
「サロネーゼ」と呼ばれる、自宅で優雅に“サロン”を開く妻たち。空前の習い事ブームにより脚光を浴びた彼女たちだが、それも数年前までの話。
東京では早くも旬を過ぎ、サロネーゼの存在感は急速に薄まっている。
しかし妻たちは、タダでは転ばない。
彼女たちは今日も、“何者か”になることを求めてもがき続けているのである。
元祖カリスマ・サロネーゼは、今。
限りなく京橋寄りの銀座の一角。
とあるビルの一室にて、マリは集まった十数人の客を見渡した。
「 “HANA-HARE銀座”へ、皆様ようこそお越しくださいました」
無機質ではあるもののバンブーや和モダンな小物で飾られた空間は、微かに白檀の香りが漂う。
はんなりとした立ち居振る舞いで品の良い笑顔を浮かべるマリは、夏らしい、菖蒲の絵柄がデザインされた絽の着物姿。
その凛とした佇まいに、集まった客たちは賞賛の言葉を口にしながら次々にスマホカメラを向ける。
ここにいる客のほとんどは、銀座を訪れた中華系観光客。マリの言葉は、彼女の隣に立つ中国人女性が全て通訳をしているのである。
「本日はこれから、皆様に茶道を体験していただきます。日本の侘び寂びを、そのエッセンスだけでも感じていただけたら光栄でございます。
それではご紹介しましょう、茶道師範・西園寺楓先生です…!」
ワザとらしいまでに仰々しい声を出し、マリはこれまた粋な着物姿の美女・西園寺楓を、場の中央へと迎え入れた。
…さて。読者の中にはお気付きの方もいるかもしれない。
そう、マリといえば数年前まで、二子玉川を象徴するタワーマンションの最上階でポーセラーツサロンLuxeを運営し、サロネーゼ界のトップに君臨していた元祖カリスマ・サロネーゼである。
そのマリがなぜ今、外国人観光客向けに、“HANA-HARE銀座”なる新たな事業を展開しているのだろうか…?
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