忘れられない男 Vol.10

新しい恋をしても、まとわりつく愛した男の記憶。「忘れられない男」全話総集編

心から愛していた男が、ある日忽然と姿を消した。

その日から、春香の時計の針は止まったまま。食事会に行っても新しい恋人が出来ても、まとわりつくのはかつて愛した男の記憶。

過去の記憶という呪縛から逃れることのない女は、最後に幸せを掴み取る事ができるのか?

「忘れられない男」一挙に全話おさらい!

第1話:リングを外した、右手の薬指。27歳女の元彼との「サヨナラ」の儀式

祐也が姿を消して3年。まもなく27歳になる。彼を失った悲しみも徐々に癒え、春香は新しい出会いを求めていた。

—今夜こそ、いい人に出逢えるかもしれない。

春香は相当な気合いを入れ、西麻布『ダルマット』での食事会に臨んでいた。

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第2話:ガリ勉の眼鏡くんが“一軍男”にまさかの昇格!?3年ぶりに心ときめいた女の27歳バースデー

これまで散々、今度こそ恋人ができるかもしれないと騒ぐだけ騒いで、1、2度のデートで失敗をするパターンを繰り返していただけに、今回は少し冷静になって恵子への報告を温めていたのだ。

「で、その彼氏っていうのは、どこのどなた?」
「うん、シゲって言うんだけどね…」

わくわくとした表情で身を乗り出す恵子に、春香は新しい恋人との馴れ初めを語り始めた。

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第3話:彼女の誕生日より海外ドラマ優先の男。恋の温度差に悩む女が恋しくなる、元彼の香り

—仕事、本当に忙しいんだな…。こんなに疲れてるのに今日ちゃんとお祝いしてくれて、感謝しなくっちゃ。

途端に申し訳ない気持ちでいっぱいになって、優しくシゲに語りかける。

「シゲ、疲れた顔してる。仕事、大変なんだね」

するとシゲは、きょとんとした表情で春香を見つめ返した。

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第4話:「もっとマメな男が合うと思う…」LINE一通でフラれた、逃げられやすい27歳女の特徴

春香は、シゲとの関係が終わりかけていることにとっくに気がついていた。膝を抱えて悶々とするよりは、いっそのこと潔く別れてしまった方が楽だということも。

しかしこんなときに限って、ずっと昔、中学時代に駅伝部で先生からいつも言われていた「途中で物事を投げ出す人間にだけはなるな」という教えがはっきりと蘇る。もはやここまでくると忍耐の域だ。そのとき突然、スマホがブルブルと振動した。

「シゲからLINE、きた!!!!!」

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第5話:追いかけられると逃げたくなるはずが…グイグイ男の「押して引く」作戦に引っかかった女

春香が化粧室から出ると、彼女たちがこそこそと話をしているのが見える。気になって、そっと耳を澄ませながらテーブルに近づいた。

「いい?その話は絶対に秘密よ。春香が聞いたら動揺しちゃうから。まさか祐也くんを見かけただなんて…」

—えっ…どういうこと?

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第6話:泥酔男に絡まれた地獄のホームパーティー。謎のモデル風美女に劣等感を抱く平凡な27歳の女

—よし、帰ろう!

春香が勢いよくカバンを掴んだ時、突然、フットサル仲間の一人だという男が目の前に現れた。

「はじめまして〜」

その男は、すでにほろ酔いなのか頬をうっすら赤く染めており、勝手にぺらぺらと話し始めてしまった。

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第7話:酔ってかけてくる電話に深い意味なんて、ない?忘れられない男からの着信に動揺する女

「真紀ちゃん、先日は本当にありがとう」

深々と頭を下げ、ジャージを入れた袋に『アトリエうかい』の焼き菓子を添えて差し出してから、意を決して尋ねた。

「あの、話したくなかったらいいんだけど。祐也君とはどうして別れたの?」

爽やかな土曜の朝の話題としては少々重い気もするが、春香はずっと気になっていたことを聞かずにいられなかった。憂鬱な春香とは対照的に、真紀はとびきりの明るい笑顔を向けて答えた。

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第8話:「Google先生、教えて…。」忘れられない元カレとの相性を調べる女が下した、一大決心

「もしもし」

数回の発信音のあと、祐也の声が聞こえ、決心が鈍らないうちに春香は話し始める。もう2度と連絡してこないで、とキッパリ言ってやるのだ。

「祐也。この間いきなり沖縄から電話してきた件だけど…」

春香がそこまで言ったところで、祐也が驚いたように尋ねた。

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第9話:“35億”の可能性を信じる女。夢にまで登場した、忘れられない男との最終決戦が始まった…!?

久しぶりに聞く親友の声にホッとして、春香はここ最近起きた一連の出来事を一気に報告した。祐也と再会したこと、慶一郎と時々会っていること、そして美術館での祐也からの衝撃の一言。

「突然姿を消した男にだって事情がある」という祐也の言葉を聞いた恵子は、怒りに震えた声で言った。

「今更なんのつもりなんだろう…。いい、春香。祐也君の言うことになんて耳を貸しちゃダメ。金輪際、関わってもダメ。電話も無視するの」

でも、と言いかける春香に、恵子はさらに言った。

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