二子玉川の妻たちは Vol.8

働きたくないけど、専業主婦はヤだもん!サロンに逃げるは、妻の恥?

結婚は、女の幸せ。

そう考える種類の女にとっても、結婚は必要条件に過ぎない。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

おうちサロンをオープンし浮かれる由美だったが、同じマンションの最上階にカリスマサロネーゼ・マリが越してきて出鼻を挫かれる。

由美は策を講じ、アロマライフスタイル協会入会することで雑誌掲載のチャンスを掴んだ。

その甲斐あって、お嬢妻・薫をはじめ少しずつ生徒が集まり始める。新たに由美の元にやってきたのは…?


逃げたい女


「由美さんにお会いできるなんて!…私、夢みたいです。」

土曜の朝、『KOMAZAWA PARK CAFE』で、由美の前に座る女は大げさにそう言い、両手で口元を隠すしぐさをした。

最近よく聞く「ゆるふわ」という形容詞は、こういう女を表するためにあるに違いない、と由美はひとり納得する。

彼女の名は、前田あかり、というらしい。
らしい、というのは、由美もついさっき…5分ほど前に初めて会ったばかりなのだ。

なぜ初対面の女と週末の朝にカフェモーニングしているのか、と言うと…先日、由美のアメブロに彼女から突然メッセージが届いたのだ。

近年稀に見る長文だったが、要約すると

「由美さんに憧れています。ぜひ一度会ってお話しを伺いたい。」

というものだった。

軽く20分はかかったであろう長文メールを書くほどの情熱を、一度も会ったことのない由美のどこに見出したのか謎ではあるが、「憧れます」という言葉の響きはいつだって心地よい。

モーニングなら、会ってもいいか…
Brilliantのレッスンは平日のみだし、夫・雄太も週末の朝は遅くまで寝ている。

あわよくば生徒になってくれるかも…という下心もありつつ、由美はあかりに会うことにしたのだった。

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