2020.06.24
美活時代 Vol.1美は、お金をかければかけるほど育つ。
美容皮膚科に、ネイルサロン。それからサプリメント…。いくらあったって足りないの。
誰もがうっとりするような、手入れの行き届いた美貌。
ーそれさえあれば、魔法みたいに全てが上手くいくんだから。
そう信じて美に人生を捧げてきた27歳OL・ユリカの物語。
―ああ、やっと17時を過ぎた。
色白で華奢な腕に巻かれたハリー・ウィンストンのアヴェニューが、定時20分前を示している。それをチラリと見て、ユリカはオフィスの席を立った。
そしてデスクの引き出しから、あるものを取り出す。…ユリカの顔と同じくらいのサイズの、ボックス型のメイクポーチだ。
「それ、デカすぎて何度見ても笑っちゃう」
隣の席の小西保奈美が、ユリカの抱えているポーチを見てケラケラと笑った。
山岸ユリカ、27歳。丸の内の大手IT企業の企画開発部に勤めて、5年目。
ユリカには、退勤前のルーティンがある。
毎日、17時10分に席を立ち化粧室へ。そして20分で化粧を直しデスクに戻る。すると、ちょうど定時の17時30分。フロアに流れるチャイムを聞きながら「お先に失礼します」とほほえむ。
「化粧直しは業務時間外にお願いしますね」と、新卒の頃はそんな風に咎める人がたくさんいた。でも、今となってはユリカの言動を注意する人はいない。何を言ってもムダだと誰もが思っている。
一方のユリカは、今でも自分に何の問題があるのか分かっていない。
ーだって、美しさはビジネスにおいても武器になるじゃない。
少しの失敗なら許されたり、大事な会食で得意先の機嫌をとれたり…。そんなオイシイ経験がユリカの中には蓄積されているのだ。
中身の無い外見ばかり気にするにゃんにゃんOL、これから転落の道をたどるのかな。
確かに美容ってお金をかけると答えは出るよね。
でも20代から美容皮膚科にこんなにお金を掛けてると、年齢が上がっていったら、お金ももっともっとかかるよねー。
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