鎌倉カレンダー Vol.10

明日で最終話。透は果たして何を思う?「鎌倉カレンダー」全話総集編

東京生まれ、東京育ち。

学生時代から就職まで、一通り都会で過ごしてきた透(27歳)は、一流企業に勤め高い年収を稼ぎ、女にも不自由しない生活を送る。しかし、生粋の東京人である透は、実は都会に消耗していた。

これは、そんな彼が「鎌倉」という街で少しずつ人間らしさを取り戻していく話。

「鎌倉カレンダー」一挙に全話おさらい!

第1話:消えない「焦燥感」。東京で消耗した男が人間を取り戻した鎌倉の海

僕も普通の男ですから、単純に金持ちになって豪遊したり、綺麗な女の人にモテたりする人生にも憧れました。それと同時に、経済のことが分からない情報弱者にはなりたくない、負け組になりたくないとも強く思いもしました。

そう、あの映画の主人公の父親のような、資本主義の「使われる側」である、いわゆるただの労働者、みたいな人種に。

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第2話:都会の狂ったサイクルで生活する仲間たちに感じる「優越感」。自分には海がある

平日も海や波のことを考えるだけでワクワクする。1日中パソコンに向き合い上司や後輩にイライラしても、とりあえず週末まで乗り切ってしまえばいい。何でもいいから、週末にさえなれば海に行ける。

そんな風に、サーフィンはいつの間にか僕にとって都会からの「逃げ場」のようになっていきました。

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第3話:盛り上がるほどに感じる港区の「虚無感」。波以外の楽しみはもういらない?

盛り上がるほどに感じる虚無感を無視するため、僕は頭の隅っこで波のことを考えます。

そしてどんどん酒を飲んで酔っぱらって、その場に溶け込むように、深いことを考えないように努力する。だって、これもたぶん、一応、「仕事」の1つだから。

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第4話:感情的で理解不能な女の狂気。鎌倉デートで起きた悲劇とは?

「透くんは、私のことなんてどうでもいいんでしょ? なんで平気でいられるの?!」 電話口で美帆は泣いていました。

こういう時、上手い言葉が見つかる男を僕は尊敬するし、心底羨ましいと思う。喋り続ける彼女の言葉はもはやあまり理解ができず、僕はタイミングを見て「ごめん」と繰り返すことしか出来ません。馬鹿の一つ覚え、という言葉が頭にポカンと浮かびました。

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第5話:女が語る、海に魅了された草食系男子の残酷な一面

“好きの反対は嫌いじゃない、無関心だ”

そんな言葉をどこかで聞いたことがあります。その通りです。それは浮気をされるより、ケンカするよりもずっとずっと辛かったし、女としての自尊心を少しずつ削っていく、蛇の生殺しのようなものでした。

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