SPECIAL TALK Vol.3

~加速するグローバリゼーションのなか、国というカタチにこだわるのは、もう古い~

圧倒的な日本のポテンシャルを活かすために

三木谷:そういえば、よくアメリカの友人にも、もったいないと言われるんです。日本のポテンシャルに気付けたらビジネスチャンスも広がる。たとえば観光資源。日本にはたくさんあるのに活用しきれていないんです。アメリカは基本的に観光できる場所といえばナショナルパークか、ディズニーランドくらいしかないと思うんですよ。

それでも現在7000万人の観光客が訪れている。一方、日本は現状の観光客は700万人しかいない。そこから2020年までに2000万人を目指していますが、ポテンシャルを考えたらこの規模ではもったいないと思うんです。日本こそ、1億人を目指してもいいんじゃないでしょうか。訪れた人たちが1人10万円を使ったら……。

金丸:10兆円もの経済効果がありますね。しかも、10万じゃすまない(笑)。

三木谷:だからなんでもっとやらないのかなと。そんな莫大な利益は、日本の会社の上位20社を足してもないですよ。日本の国際化のために必要なことの一つが、ほぼすべての人が英語を理解できることだと思うんです。

そのために、まず楽天がサンプルとなってやり遂げたのが「英語の社内公用語化」。僕はこれが自分のこれまでやったことの中でも、もっとも世の中に貢献したひとつなのではないかなと。

金丸:三木谷さんの行動によって日本の英語に関する考え方が本当に変わった。学生も真剣に勉強し出しましたね。

三木谷:うちは本当に英語で会議してますから。それに思ったよりは簡単。ノウハウも公開してもいいと思っているんですが、ビジネスに必要な単語は1000もあれば十二分。3年間は苦労かもしれませんが、いつの間にかできるようになってます。

金丸:あとは誰でもわかる単語があればなんとかなるものですよね。

三木谷:そうですね。ビジネスにおける会話で一番大事なのは結局「up」と「down」なんですから(笑)。楽天でも、英語が喋れるようになったことで、グローバルなビジネスの議論が始まった部署が多くあるんですよ。言葉が通じるから現地にも行ってしまいますし。

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