2015.01.19
SPECIAL TALK Vol.3グローバルな競争の中で、今持つべき意識
金丸:最近よく海外に出かけて国や企業のトップと会う機会も多いと思いますが、地球儀的に世界をみてどう感じていますか? 何かニューリーダーへのメッセージとなるような。
三木谷:そうですね、僕は古い形の『国』という定義に囚われていると競争力を失ってしまうんじゃなかいかなと考えています。これからの活動は、国というよりは地域という感覚に近い。もちろん国として、セーフティネットとか、防衛とかはそれぞれがするべきだけど、どんどん情報が繋がってきて、いろんな国が理解し合えるようになるときが必ず来ると思うんです。
だから短視眼的に日本に閉じこもった発想ではなくて、発展的思考でいられるかどうかが大切。例えばノーベル賞のように、日本人がイノベーションを起こすことは、とても重要なことだと思います。ただ、「日本人だけ」でそれだけでやろうとするのは、無理がきてるんじゃないかなと。
金丸:世界中から仲間を連れてきて、一緒にイノベーションを起こす、という発想が必要ということですね。
三木谷:昔のように日本は手先が器用だとか、製造業のクオリティが高いというだけじゃ世界の中で食えなくなってきている。そんな中で、日本の競争力を上げるということは、思考力を上げるということだと思います。ですから、日本は、もっとグローバルなプラットフォームになって思考力を上げないといけないんじゃないでしょうか。
実際「楽天」でも新規に採用する技術者の70%はグローバル採用です。そして、プラットフォームがグローバル化した時には、日本の安全で四季があって過ごしやすい文化や環境というのは、極めて日本にプラスに働くと思います。世界でも働く場所として最も人気の高い国のひとつですから。
金丸:そうですね。日本人はもっと、自分の国の価値に気づいてもいい。安心と安全という環境はとてつもない付加価値です。世界の優秀な人材が国を選ぶときに命の危険がないことは重要です。このままいくと、日本は自分の付加価値にずっと気付かないまま終わってしまいます。
三木谷:移民論としては日本の中ではある意味でタブーなところもあるし、しっかり考えないといけない事だと思います。しかし、いずれにせよ人口は確実に減っていく中で、働きに来てくれることを喜び、本当の意味でのダイバーシティになっていくべきなんじゃないかと思うんです。
金丸:国を出て仕事をする人たちは、その中のさらに二世、三世が反骨精神でイノベーションを起こす人が出るケースがとても多いですよね。
三木谷:ある意味、日本を代表する経営者の孫さんもそうですよね。
金丸:80年代、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われていた時代。ビルを建てるとか目に見えるハードを提供するビジネスは、日本はナンバー1でした。今はソフトウェアの威力が問われる時代ですが、それは人間の威力そのものの勝負なんですよね。つまり、思考力の差です。
僕は1980年代、シリコンバレーにいたとき、はじめて渡ってきたインド人、中国人の方と出会うわけですが、プログラミングなんかは全然できないなーと思ったんですけど、彼らは「自分はできる!」といって組織に入り込んで、日夜それはもう凄まじく学習するわけですよ。
入った時はハッタリなんだけど、1年経つとハッタリじゃなくなっている。もともと潜在能力がありますから。で、彼らがITに進出して活躍し、今や子ども達がいて。アメリカの社会でいうと、みんな学歴もとても高い。今コンピューターサイエンスバリバリの連中は、二世、そして今度は三世の世代も出始めています。
三木谷:そういう、これからの日本がいかにして食べていくか。産業競争力会議も、そういう議論を徹底的にしたほうがよいと思います。
金丸:そして、その本質的な議論を皆に見せていくというのが大事だと思いますね。
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