2022.12.15
タクシー・ドライバー 〜柊舞香〜 Vol.15東京…特に港区は、ウソにあふれた街。
そんな港区を走る、すこし変わったタクシーがある。
ハンドルを握るのは、まさかの元・港区女子。美しい顔とスタイル。艶のある髪。なめらかな肌…。
乗客は皆、その美貌に驚き、運転席の彼女に声をかける。
けれど、彼女と話すには、ひとつルールがあった。
「せめて乗車中はウソ禁止です」
乗客たちは、隠れた本音に気づかされていく――。
「タクシー・ドライバー 〜柊舞香〜」一挙に全話おさらい!
第1話:港区女子を辞め、運転手に転職した美女。きっかけは?
ネームプレートの顔写真は、これが本当に無加工の証明写真かと疑うほどに美しい。「柊舞香」それがドライバーの名前らしい。
「…若い女性の運転手さんって珍しいですね」
「そうですか?最近増えていますよ」
「僕は初めてです。こんな美人な運転手さんは」
挨拶代わりの褒め言葉は、スルーされた。会話をそこでやめることもできたが、好奇心には勝てない。
「柊さんはどうして運転手になったんですか?」
第1話の続きはこちら
第2話:「もういい。1人で帰って」同棲中の彼女をタクシーに残して、去った彼。怒りの理由とは?
慎太郎は、タクシーで駆けつけてくれて、京子の会計を代わりに支払ってくれた。
六本木通りにあるヒルズの入口の交差点で、京子は慎太郎にしがみつく。頬を彼の胸に沈めたまま、うっとりとした表情を浮かべた。
「このフィット感、好き。超好き」
「さあ、タクシーが来たから、乗るよ」
やれやれ、といった口調で慎太郎は言った。まさかこの夜に、京子は慎太郎と喧嘩になるなんて、思ってもいなかった――。
第2話の続きはこちら
第3話:10回デートをしても、手を出してこない男。悶々とした女は、ある行動に出る…
天気予報にもない突然の雨は、いよいよ本降りになってきた。23時30分。傘を持たずにデートに出かけた戸川奈緒は、溜池山王の交差点で途方に暮れる。
― 空車のタクシーが全然ない。来ても乗車拒否される…。
なぜなら奈緒は今、ずぶ濡れなのだ。
ようやく1台のタクシーが目の前でスピードを落とし、停車。奈緒と同世代の女性ドライバーが、顔を出した。
第3話の続きはこちら
第4話:ウソの職業を伝えたまま、交際3ヶ月。女は、タクシーの中で突然真実を打ち明け…
「…優佳。さっきからどうしたの?」
心配になった辰哉が優しい声で問いかけると、ようやく優佳は口を開く。
「実はね。辰哉にずっと黙っていたことがある」
深刻な顔をしている優佳を見て、辰哉の顔色が変わった。
「…なに?」
「あのね。私、今の職場で働く前は『看護師として働いていた』って言ったと思うんだけど、あれ…実は…ウソなの…」
第4話の続きはこちら
第5話:「ダメとわかっていても体が勝手に…」男に深夜に呼び出され、喜んで会いに行く女の末路
「財布を忘れたのに、この5,000円は誰にもらったんだって思いますよね…?」
「ええ、まあ」
「彼氏に貰ったんです。五千円札を渡されて『これで帰って』と言われたんです」
失礼だと思いつつ、舞香は尋ねた。
「深夜の3時に…ですか?」
「そうです。そんなやつ、彼氏でも何でもないですよね…。付き合ってると思ってるのは、たぶん私だけです。向こうは私のことを彼女だと思ってない」
バックミラーに映る璃々の表情は、とても寂しげだった。
第5話の続きはこちら
第6話:飲み会で出会ったばかりの男と、タクシーで一緒に帰る女。女が男に仕掛けた、ある罠とは?
舞香が運転するタクシーは、西麻布で、ある若い男女を乗せた。
指定された行き先は、不動前。ハンドルを右にきって外苑西通りに入ると、女性がぼそりと話し始めた。舞香はその会話に、つい耳を傾ける――。
「私、ウソをつけないタイプなんで言いますね」
「どうしたの?急に」
「大貴さんって、私のこと狙ってるんですか?」
第6話の続きはこちら
第7話:「欠点のない男」と「完璧な女」。完全無欠のカップルが、交際1年で破局した理由とは?
「僕の彼女は、いつだって上機嫌なんです。…ほら、多くの女性って、突然不機嫌になったりするじゃないですか?」
広輝は「それって男性的には、理解はできるけど、共感は難しい案件で…」とあわてた様子で付け加えた。舞香が女性なので、フォローをしたのだろう。
「僕の彼女はそういう共感しずらい部分が一切なくて、つまり完璧なんです」
「いいですね。自分の機嫌を自分で取れる人、素敵です」
舞香は答えた。
「僕もそう思ってました。ただ…」
第7話の続きはこちら
第8話:彼と曖昧な関係のまま、1年が経過。悶々とする港区美女の耳に届いた、信じがたいウワサ
「広尾まで、お願いします」
彼の自宅マンションがある天現寺から、舞香の自宅アパートがある広尾まで、歩いたとしても5分だ。
このままでは、すぐに家に着いて、ひとりになってしまう。そう考えたとき、あるお願いが口をついて出た。
「あの…運転手さん、ひとつお願いがあります」
「はい」
「料金は払うので、広尾に直行しないで、グルグル回っていただけますか?その間、よければ私の話を聞いてほしいんです」
第8話の続きはこちら
第9話:年収2,000万のバリキャリか、年収300万の派遣か?一流企業の29歳男が選ぶ女は?
「私、別れたくないんですよ、彼と」
「二股されても、ですか?」
「はい。別れたくないので、彼を許します」
有紗はきっぱりと言い放つ。
「だから、どうしても相手の女に勝ちたいんです。どうやったら勝てるか、運転手さんも一緒に考えてくれませんか?」
タクシーの料金は、客を目的地まで運ぶことに対する報酬であって、そこに相談料は加味されていない。そんなことは重々承知の上で、有紗は頼んだ。
修羅場へ向かうタクシーの中、少しでも会話をすることで、緊張と不安を和らげたい気持ちもあった。
第9話の続きはこちら
第10話:「浮気しない男なんて、この世にいますか?」大勢の男女を見てきた元港区女子の見解とは…
「話し合いの結果がどうなったか、聞いてもらえますか?今度はウソはつかないので」
「ええ、もちろんです」
「最初に口を開いたのは、功太でした」
功太は、結論から告げてきたらしい。
「彼は、二股していた責任を取って、私とも相手の女とも『別れる』と言い出したんです」
「そうですか…」
「でも、私は『別れる』なんて、ウソだと思いました」
第10話の続きはこちら
第11話:「夫とは愛し合っているけれど…」港区在住の子持ち妻・34歳が、離婚を決意した理由
― あのときグッと堪えずに言い返していたら…私の人生は、どうなっていたんだろう?
初デートから3年後、大我と結婚し、真白が生まれた。そして、麻実が34歳、真白が3歳になった11月の今夜。
麻実は、体重14キロにもなった真白を片手に抱え、もう一方の手で、数日分の衣類を詰め込んだスーツケースを引き、乃木坂の自宅を後にする。
真白が深い眠りについている間に、千葉県流山市の実家に戻るのだ。離婚を決意していた。
第11話の続きはこちら
第12話:「今頃、彼女は他の男と…」同居中の女から“2時間だけ出ていって”と家を追い出され…
「乗車中はウソ禁止です。それでも良ければ話をしましょう」
「面白いなあ。わかりました。ではウソはつきません。僕の名前は辻原基樹と言います。27歳。小さいけれど人材派遣の会社を経営しています。パーソナルトレーナーを派遣したり、仲介する仕事です」
基樹自身も鍛えているのだろう。バックミラー越しに見える彼の身体は逞しい。
「今日は、時間つぶしのためタクシーに乗りました。理由は、今から2時間ほど自宅に戻ることができないからです」
第12話の続きはこちら
第13話:ずっと忘れられなかった彼と、4年ぶりの再会。運命だと思ったが、彼からまさかの報告が…
舞香は「乗車中はウソ禁止です」といつものルールを提示し、客たちと束の間の会話を楽しむ。
ウソ禁止。そのルールを客に求める以上、舞香もそれに従ってきた。
タクシードライバーとなって、まもなく4年になるが、舞香は車内でウソをついたことがない。
― でも今日、初めてウソをつくかもしれない。
今日ラストのつもりで拾った客を見て、舞香はそう思わずにはいられなかった。西麻布は、すでに夜が明けていた。
第13話の続きはこちら
第14話:「本当のことを教えて…」結婚式を控えた元カレと再会。女は“禁断の質問”をしてしまい…
「驚いたでしょ?私がタクシードライバーになってたなんて」
「うん、びっくりしてる…。えっ?どうしてタクシードライバーになったの?」
いきなり、核心をついた質問だ。
「4年前、涼太さんに『港区でまた会おう』って言われたから。タクシードライバーになったら、いつか本当に再会できるかと思ったの」
「そんなこと言ったっけ?」と返されるかと思ったが、涼太の口から出た言葉は違った。
第14話の続きはこちら
【タクシー・ドライバー 〜柊舞香〜】の記事一覧
2022.12.16
Vol.16
「ねぇ、遊びに付き合って」美人タクシードライバーが、乗客の男性に頼んだコトとは
2022.12.02
Vol.13
ずっと忘れられなかった彼と、4年ぶりの再会。運命だと思ったが、彼からまさかの報告が…
2022.11.25
Vol.12
「今頃、彼女は他の男と…」同居中の女から“2時間だけ出ていって”と家を追い出され…
2022.11.18
Vol.11
「夫とは愛し合っているけれど…」港区在住の子持ち妻・34歳が、離婚を決意した理由
2022.11.11
Vol.10
「浮気しない男なんて、この世にいますか?」大勢の男女を見てきた元港区女子の見解とは…
2022.11.04
Vol.9
年収2,000万のバリキャリか、年収300万の派遣か?一流企業の29歳男が選ぶ女は?
2022.10.28
Vol.8
彼と曖昧な関係のまま、1年が経過。悶々とする港区美女の耳に届いた、信じがたいウワサ
2022.10.21
Vol.7
「欠点のない男」と「完璧な女」。完全無欠のカップルが、交際1年で破局した理由とは?
2022.10.14
Vol.6
飲み会で出会ったばかりの男と、タクシーで一緒に帰る女。女が男に仕掛けた、ある罠とは?
2022.10.07
Vol.5
「ダメとわかっていても体が勝手に…」男に深夜に呼び出され、喜んで会いに行く女の末路
おすすめ記事
2022.12.09
タクシー・ドライバー 〜柊舞香〜 Vol.14
「本当のことを教えて…」結婚式を控えた元カレと再会。女は“禁断の質問”をしてしまい…
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2015.11.30
東京☆ビギナーズ
東京☆ビギナーズ:28歳大阪からの上京。「ノールックいいね!」に愛はあるのか
2016.06.16
シンガポール大逆転
シンガポール大逆転:勝ち組は一生勝ち組。生まれた時から勝負は既に決まっている
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
- PR
2024.11.21
クリスマスは絶景を望むホテルデートへ!彼女がワッと喜ぶ、とっておきの夜を丸の内で過ごすなら…
2022.04.06
産後クライシス—結婚3年目の波乱—
産後クライシス—結婚3年目の波乱—:出産の“ご褒美”はダイヤモンド。夫の愛に浸るセレブ妻の大誤算
2024.11.05
マティーニのほかにも
東京のバーで繰り広げられる男女のドラマをお届けします「マティーニのほかにも」全話総集編
2019.09.25
婚約破棄
「俺、焦ってるみたいだな…」。彼から誘われている最中に、他の男のことを思い浮かべていた女
2017.10.10
東京シンデレラ
東京シンデレラ:同じ空間にいても、誘われる女と誘われない女。その残酷な評価
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"