東京…特に港区は、ウソにあふれた街。
そんな港区を走る、すこし変わったタクシーがある。
ハンドルを握るのは、まさかの元・港区女子。美しい顔とスタイル。艶のある髪。なめらかな肌…。
乗客は皆、その美貌に驚き、運転席の彼女に声をかける。
けれど、彼女と話すには、ひとつルールがあった。
「せめて乗車中はウソ禁止です」
乗客たちは、隠れた本音に気づかされていく――。
▶前回:「欠点のない男」と「完璧な女」。完全無欠のカップルが、交際1年で破局した理由とは?
広尾~羽田 舞香・4年前
心臓は、バクバクと動く。けれど身体が、奥のほうから冷えていく。
― これが世に言う“血の気が引く”ってやつ?
心が冷静でいられないのに、頭が無理に冷静を保とうとしているかのよう。舞香は、彼のスマホを強くにぎって、ゆっくりと呼吸をする。
たった今、魔が差して、眠ってい......
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この記事へのコメント
でも、できれば早く、こんな男のことを忘れて次に進んで欲しい。
自由人と言うよりほら吹き男。