東京…特に港区は、ウソにあふれた街。
そんな港区を走る、すこし変わったタクシーがある。
ハンドルを握るのは、まさかの元・港区女子。美しい顔とスタイル。艶のある髪。なめらかな肌…。
乗客は皆、その美貌に驚き、運転席の彼女に声をかける。
けれど、彼女と話すには、ひとつルールがあった。
「せめて乗車中はウソ禁止です」
乗客たちは、隠れた本音に気づかされていく――。
▶前回:ウソの職業を伝えたまま、交際3ヶ月。女は、タクシーの中で突然真実を打ち明け…
赤羽橋~溝の口 璃々を乗せて
時刻はすでに、3時を過ぎていた。
舞香が運転するタクシーを、1人の若い女性・津崎璃々が止める。
「すみません…。5,000円で溝の口まで行けますか?」
赤羽橋の交差点に立った璃々は、スマホと五千円札だけを握りしめている。
溝の口は多摩川に隣接しているとはいえ、......
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この記事へのコメント
こんな男のどこがいいんだろうと思ったけれど、最後の検討を祈るが心に響いた。
あとは、母親からの愛情が欠けて育つとそうなる事もあるみたいだし。なんか深いね。