東京…特に港区は、ウソにあふれた街。
そんな港区を走る、すこし変わったタクシーがある。
ハンドルを握るのは、まさかの元・港区女子。美しい顔とスタイル。艶のある髪。なめらかな肌…。
乗客は皆、その美貌に驚き、運転席の彼女に声をかける。
けれど、彼女と話すには、ひとつルールがあった。
「せめて乗車中はウソ禁止です」
乗客たちは、隠れた本音に気づかされていく――。
▶前回:「もういい。1人で帰って」同棲中の彼女をタクシーに残して、去った彼。怒りの理由とは?
溜池山王~中目黒 奈緒(23歳)
天気予報にもない突然の雨は、いよいよ本降りになってきた。
23時30分。傘を持たずにデートに出かけた戸川奈緒は、溜池山王の交差点で途方に暮れる。
― 空車のタクシーが全然ない。来ても乗車拒否される…。
なぜなら奈緒は今、ずぶ濡れなのだ。
ようやく1台のタクシー......
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