私の年下くん Vol.13

「私に合う男性はやっぱり…」恋に悩むアラサー女の結末は?「私の年下くん」全話総集編

女にとって、経験豊富な年上男性は魅力的に映る。

だが、その魅力ゆえこだわりの強いタイプが多く、女は年を重ねていくうちに気づくのだ。

― 頑張って彼に合わせるの、もうしんどい…。

年上ばかり選んできた女が、自然体でいられる相手は一体どんなタイプの男なのだろうか?

これは、アラサー独身女がこれまでの恋愛観をアップデートする物語。

「私の年下くん」一挙に全話おさらい!

第1話:年上との恋愛に疲れた33歳独身女。食事会で出会った男に意外な対応をされてしまい…

「次の休みは久しぶりにクルーザーを出すから、多佳子もおいで!僕がお世話になっている先輩たちに紹介するよ」

多趣味で仕事もバリバリこなす理想の彼氏が、そう提案をしてきてくれた。私は、2人の関係がオフィシャルなものになることを誇らしく思った。だから、気合を入れていろいろ準備してきたつもりだ。

ところが、いざ仕事の話に熱が入りだすと、私はすっかり蚊帳の外。

仕方ないか、と火照った体をクールダウンさせるために、クルーザーのデッキから客室に引っ込んだとき。誰かが、後ろから肩を強くつかんできたのだ。

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第2話:食事会の初対面でにらんできた銀髪の年下男。彼が必死になって女に要求した“お願い”とは?

「彼は、守谷颯です」

颯は、渋々といった感じで目線を落としてボソッとつぶやく。

「…颯です。よろしくお願いします」
「こいつ、普段はもっと愛想いいんですよ。こういう食事会に来ることがあまりなくて、緊張しているんだと思います」

― 守谷颯…。うん、確かそんな名前だった!やっぱりそうだ。

確かめるようにまじまじと颯の顔を見ると、彼に視線をパッとそらされた。

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第3話:年下男に突然手を握られ「俺たち付き合ってるんだよね?」と言われて…。素直になれない33歳女の反応は

颯でも気負わずに行けるような、大人向けだがカジュアルな雰囲気のハンバーガー店でランチを提案した。ところが、当日。約束の時間になっても、彼は現れなかった。颯との待ち合わせは、12時に店前だ。

『もうすぐ着くよ!』

と、LINEが送られてきてから、10分。さらに、約束の時間を15分過ぎても、彼はまだやって来ない。

― 高速バスが遅れたのかな?それならもう1回くらい連絡をくれてもいいのに!

待ちぼうけを食わされてモヤモヤしていると、遠くから走ってくる颯の姿が見えた。

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第4話:33歳女がひと回り年下男の告白をスルーしようとしたら、グイグイ押され…

「もう1回聞くけど、俺たち本当に付き合ってないの?」

人通りが少ない路地裏で、私は颯にハッキリと言った。

「うん、私は付き合ってるとは思ってなかった。私たちは、これから友達になる…ところかな?」

“友達”という言葉に考え込むように視線を落とした颯だったが、何かを思いついたのかすぐにいつもの強気な顔に戻った。続けて、彼はいかにもサッカー選手らしいこんな提案をしてきたのだ。

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第5話:「LINEが既読にならないから…」年下彼氏の子どもっぽい対応に、年上彼女が思ったコト

颯と付き合うことになった夜に、LINEでやり取りを続けたのは颯ではなく別の男だった。

その男とは、大学時代からの友達・一樹だ。

彼の物事をハッキリと言う性格は、私とよく似ている。変に気を使うこともなく、本音で語り合える貴重な存在だ。だから、学生時代はもとより、社会人になってからも月に何度かは会う関係が続いていた。

だが、最後に顔を合わせたのは、2年前。なぜなら、一樹は先日まで、勤め先である大手銀行のニューヨーク支店に赴任していたのだ。

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第6話:ソファでキスくらいは覚悟していたのに。男がすぐに帰って悶々とした女は…

「あ、明日!?急だね、ちょっと予定を確認してからLINEする!とりあえず、一旦切るね」
「わかった、LINE待ってる」

まくしたてるような口調で慌てて電話を切ったのは、動揺を悟られないためだ。

― あー、焦った!だって、部屋に来るってことは…そういうこと…だよね?

私も明日は休みで、これといった予定はない。颯と一歩踏み込んだ関係になることが、嫌なわけでもない。それなのに、私は二つ返事でOKできなかったのだ。

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第7話:「彼ってこんなコトするの…?」彼氏との“初お泊まり”で予想外の事態。落胆した女はある行動に…

化粧室から戻りスマホを手に取ると、ちょうど一樹からLINEが送られてきた。

『誕生日おめでとう!今、何してる?こっちは、六本木で食事中』

『ありがとう!会社の同期の子と颯くんたちに、西麻布でお祝いしてもらってるんだけど。良かったら、後で来ない?』

ふと、一樹のことをみんなにも紹介したくなったのだ。みんなも、彼の参加を快くOKしてくれた。ただし、颯を除いては…。

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第8話:彼氏と初めての温泉旅行。高級旅館で過ごす一夜に、女が不安に思ったワケ

彼との初めての旅行は、雰囲気の良い部屋で、思い出に残るような素敵な時間を過ごしたい。けれど、颯が温泉や旅館に詳しいとは思えない。期待外れな宿は嫌なのだ。

― どうしよう…大丈夫かなあ?でも、こう言ってくれてるんだし、顔を立てたほうが…。うーん、よしっ!

次々と浮かび上がってくる不安をグッと飲み込んで、今回は颯に任せることにした。そして、念を押すようにこう返信したのだった。

『ありがとう!部屋でお風呂に入って、ゆっくりしようね』
『OK、任せて!』

こうして迎えた、旅行当日。待ち合わせ場所にやって来た颯を見た私は、思わずギョッとした。

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第9話:「この女、誰?」彼氏のInstagramに美女モデルの影が。交際を不安に思った年上女は…

「サッカー選手なんだから、まわりに女の人なんてたっくさんいるでしょ!芸能人とかモデルと合コンしたりしてるのって、あながち嘘じゃないみたいよ」
「えー…やっぱりそうなのかなあ。颯くんってどうなんだろう…ねえ、美智子ー!」

― 颯くんに限って、合コンなんて…。いや、でも、体育会系な気質だから、先輩に誘われたら行っちゃうのかもしれない。

それならなおさら、彼のまわりにはどんな人がいるのか知っておきたい。そんなことを考えていると、高速バスの速度が緩やかになり、目的地に到着する。

すると、そこには颯と彼と同じくらい背の高いもう1人の男性が待っていた。

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第10話:「他の女も招待してたよね?」大切な試合で発覚した二股疑惑。女がアスリートの彼氏に不満を告げると…

高速バスの車窓からのどかな景色を眺めていると、直線的な屋根が特徴の立派なスタジアムが近づいてくる。

こんなに大きな舞台で試合に出場できる颯は、私が思っているよりもずっとすごい人なのかもしれない。感心しつつバスを降りると、広いスタジアムのまわりをキョロキョロしながら歩く。

― えーっと、関係者受付ってどこだろう?あ、このテントだ!

思いのほかこぢんまりとした受付を無事に見つけ出すことができ、安心したのもつかの間。そこで私は、“ある女性”を目にしてしまったのだ。

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第11話:彼氏との別れを決意したアラサー女。LINEを送ってサヨナラしたのに、男が会社の前にいきなり現れて…

彼のことを初めて“面倒くさい”と思ってしまった私は、今回の件は自分から折れないと決心した。

そして、沈黙を貫くこと2週間。その間、1度だけ颯からの着信があったけれど、仕事中で出られなかった。

2月末にはJリーグ、3月末にはプロ野球が開幕する。スポーツ部の記者である私は地方への出張が増え、一気に忙しくなったのだ。

多忙な日々のおかげか、颯やrinaのことで頭を悩ませる時間もグッと少なくなった。ちょうどそのころ、私のもとにあるLINEが届く。

第11話の続きはこちら

第12話:「問題があるのは彼氏じゃなくて自分」男友達からの厳しい恋のアドバイスに、アラサー女が思ったコト

私のことをかばうように、颯との間に入ってきたのは美智子だった。

テレビ局のスポーツ部で働くのは、男性ばかり。そこに長年身を置いている彼女には、こんなふうに男勝りなところがあるのだ。

だが、美智子に制止されて、余計にいら立った様子の颯も引く気配はない。鋭い目つきで、美智子と私のことを交互ににらんでくる。

「美智子さん、俺、多佳子さんと話がしたいから」

と、そこへ一樹もやって来た。待ち合わせ時間の20時きっかりだ。そして、ただならぬ空気を感じたのか、足早に颯に近寄ると、何か耳打ちをした。

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