女にとって、経験豊富な年上男性は魅力的に映る。
だが、その魅力ゆえこだわりの強いタイプが多く、女は年を重ねていくうちに気づくのだ。
― 頑張って彼に合わせるの、もうしんどい…。
年上ばかり選んできた女が、自然体でいられる相手は一体どんなタイプの男なのだろうか?
これは、アラサー独身女がこれまでの恋愛観をアップデートする物語。
◆これまでのあらすじ
多佳子はテレビ局のスポーツ部に務める33歳。デートの帰り道、弟みたいに思っていたひと回り年下の颯に、突然「俺たちって付き合ってるんだよね?」と聞かれる。多佳子は、話をごまかそうとするが…。
▶前回:年下男に突然手を握られ「俺たち付き合ってるんだよね?」と言われて…。素直になれない33歳女の反応は
Vol.4 本気になった年下くんの行動力
広尾駅すぐ近くの路上。
私のわざとらしいリアクションに、颯はぼうぜんと立ち尽くしていた。
鋭い視線はそのままだが、私に振り払われた手は行き場をなくして宙ぶらりんになっている。
少しの沈黙のあと、彼はみるみる赤くなっていく顔を両手で覆いながら、小さな声でつぶやいた。
......
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