それでも、私は東京で消耗する Vol.1

それでも、私は東京で消耗する:年収1,000万の慶應卒女が、都心暮らしに拘る理由

―まだ東京で消耗してるの?

2014年、あるブログからこんな問いが投げかけられた。

そして6年経った今、同じように聞かれたら人々はどう反応するだろうか?

オンラインが当たり前になった生活を考えれば、狭い部屋に家賃を払い続ける理由はない。

しかしここに、それでも東京にこだわる一人の女がいる。名前は莉々(32)。

「どんな時代になろうと、私は東京を離れないと思う」

莉々は今、東京という街に何を見、何を感じとっているのだろう。


「では、失礼します」

相手がルームから退出したことを確認し、ビデオ会議アプリのTeamsを落とす。

Slackの新着メッセージを一通り確認し終え、今日1日の仕事に目途がつくと、ソファに寝ころびスマホでネットバンキングのアプリをタップした。

「わ、10万振り込まれてるじゃん!」

特別定額給付金の振込に喜んだのも束の間、すぐにその倍近い家賃の引き落とし履歴が目につき、ため息が出る。

―…やっぱ、東京ってマジで家賃高すぎ。

毎月引き落とされるとわかっていても、残高を見るたびにそのインパクトには慣れない。

マーケティングコンサルとしてフリーで働き始めて3年。ありがたいことに仕事の依頼は絶えないし、その高すぎる家賃を支払えるだけの収入…1,000万ほどは稼いでる。

ただ、クライアントとの打ち合わせはオンラインがほとんどで、拠点が東京である必要はない。

けれど麻布十番の家の窓に映った、煌々と輝く東京タワーの光は、ここまでの葛藤にみちた長い道のりを、東京で生きる意味を思い起こさせる。

―…そうだよね、結局私はここから離れられないんだよね。

今年32歳の莉々は、東京に住み始め丸9年。

莉々が東京にこだわる理由を紐解くには、話が高校時代にまでさかのぼる。

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