格差婚~僕の3倍稼ぐ妻~ Vol.14

妻が「格上」の夫婦は、幸せになれるのか?「格差婚~僕の3倍稼ぐ妻~」全話総集編

夫は外で働き、女は家庭を守るべき。

女性の社会進出が進んだ現代において、そんな考えは時代遅れで、古臭い。

自分は、共働き賛成、バリバリ働く妻・大歓迎である。

そう思っている男性は多いだろう。

しかし、自分よりも圧倒的に稼ぐ妻を持ってしまったら…?

徐々にすれ違っていく、金銭感覚、価値観、ライフスタイル。

超ハイスペ妻と結婚した夫は、一体どうなる…?

「格差婚~僕の3倍稼ぐ妻~」一挙に全話おさらい!

第1話:夫の年収680万、妻2,200万。超ハイスペ妻と結婚した男が受けた、強烈な洗礼

福島康太、33歳。同い年の妻・玲とは、結婚2年目だ。

康太は、精密機器メーカーの調査部で働いている。一方の玲は、外資系の戦略コンサルティングファームで働く敏腕コンサルタントだ。

二人の出会いは、4年前。康太の会社のプロジェクトだった。それは当時、新たに就任した社長が、“事業の選択と集中”を宣言し、大幅に事業の見直しをするために立ち上げた、肝いりのプロジェクト。

康太も調査部枠でアサインされたその案件に、玲がコンサルタントとしてやってきたのだ。

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第2話:「妻の収入をアテにする男と一緒にするな」夫のプライドを打ち砕いた禁句とは?

−全部でいくらかかってるんだ…?

玲に頼まれて、業者の作業に立ち会っていた康太は、装飾されたパーティールームの様子に呆然とした。

ブルーとホワイトのバルーンが大量にプカプカと浮いており、壁には花のガーランドが飾られている。テーブルにはレストラン顔負けのおしゃれなカトラリーやグラスが並んでいる。

さらにここには、今日のために特別に頼んだという豪華なケータリングが並ぶらしい。ホームパーティーの域を超えた有様に言葉を失っていると、装飾業者のスタッフが話しかけてきた。

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第3話:第一印象は、特になし。年収2,000万超のハイスペ妻が“パッとしない夫”を選んだ理由

“チームリーダーに昇進したよ!!!”

康太はさっそく、玲にLINEで報告を入れる。嬉しさのあまり、“!”を3つも付けてしまった。今晩は玲と一緒に祝杯をあげたい…と誘いたいところだが、我慢、我慢。玲の仕事の邪魔をしてはいけないと、自制する。

すると、普段は8時間未読などということも珍しくない玲から、タイミングが良かったらしく、すぐに返信があった。

“おめでとう!今日は早めに上がれそうなの。お祝いしようよ”

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第4話:「女だから外された…?」体育会系男に仕事のチャンスを奪われた、バリキャリ女の苦悩

「今日の14時〜、メキシコ出張の件で打ち合わせしたいんだが」

玲がデスクで次の会議資料に目を通していると、マネージャーの滝川が話しかけてきた。

「了解です。どこかミーティングルームを予約しておきます」

玲がすぐさま社内の会議予約システムで空室状況を見ていると、滝川は「よろしく」と言って踵を返した。だが、すぐに「あ、そうだ」と立ち止まり、「ミーティングには吉野も同席するから」と付け加えた。

「よ、吉野さんですか?」

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第5話:「正直羨ましい…」気の強い嫁に疲れ、他人のゆるふわ妻に惹かれた夫の本音

送別会の帰り道、康太は本日の主役・高田に声をかけた。彼は、来月から名古屋に転勤することになった、部署の後輩だ。

高田は人懐っこい性格で、康太も弟のように可愛がっていたため、彼の異動には寂しさを感じていた。最後に二人で飲みたいという気持ちもあり、高田のことを誘ってみたのだ。

「康太さんが誘ってくれるなんて嬉しいです!もちろんです」

二人は、日比谷ミッドタウンの『STAR BAR』に向かった。

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第6話:妻との旅行中、他の女とメッセージを楽しむ夫。男が妻に内緒で購入したものとは?

「着いたぁ〜!」

空港を出た康太は、青空の下で思い切り伸びをした。一年中温かい沖縄とはいえ、1月は最も寒くなる。天気は大丈夫だろうかと心配していたが、今日の気温は20度。柔らかな日差しが降り注ぎ、心地よい風が吹いている。

−うーん、気持ちがいいなあ。

康太が大きく深呼吸をしていると、前を歩いていた玲が振り返って立ち止まった。

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第7話:「二人で飲みたいの…」極上美女のウルウルおねだりに、妻を忘れた夜

−2人で撮った写真、一枚もないじゃん…。

一方の玲は、iPhoneの写真をスクロールして海やプールの写真を眺めながらガックリと肩を落とした。

旅行中、二人でゆっくり話したかったのに、康太はといえば、部屋に着くなり昼寝をして、暇さえあればスマホとにらめっこ。

景色ひとつ楽しまず、デジタルデトックスする気配もない。こんなことなら沖縄に来る必要はなかったのではないかと思うほどだった。

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第8話:「一生後悔する…」若い女とイチャついた男を待っていた、大きすぎる代償

「妻が体調不良で、看病しないといけないんです。申し訳ありません」

すると課長は心配そうな顔で、「それは大変だ。早く帰ってあげなさい」と、了承してくれた。

「失礼します!」

その場を離れた康太は急いでスマホでメッセージを確認する。新着メッセージ1通。もちろん、麻里亜からだ。

“キラリトギンザ前でお待ちしてます♡”

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第9話:「私が苦しんでいた時にあんな女と…」知ってしまった夫の不貞。妻が下した、夫への罰

「会社に連絡しなくちゃ。こうちゃん、スマホ借りても良い?私、今なにひとつ持ってないのよ。あと、会計もお願い出来る?」

病室に戻った玲は、康太のスマホ片手に、病院の電話が出来るスペースにさっさと出て行ってしまった。

「はいはい」

何も考えずにスマホを玲に渡した康太だが、このことが大惨事を招くことになるとは想像もしていなかった。

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第10話:「女として価値がないのかも…」夫に裏切られた妻。彼女が自分を責める理由とは

玲の脳裏に、康太のスマホの画面に映し出された若い女の写真がフラッシュバックする。

いかにも男性受けする雰囲気の、可愛い人だった。きっと彼女は、自分にはないものを持っているのだろう。男性の自尊心をくすぐる行動や言動、甘え上手、可愛いワガママ…。

自分に、そういった可愛らしさがないことは分かっている。また、自分の年収やキャリアが、いつの間にか男性のプライドを傷つけていることも。

−それでも、康太は受け入れてくれると思っていたのに。

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第11話:「送り主は、誰…?」夫に裏切られた妻が職場で受け取った、一通の手紙

康太は、倒れるまで玲を働かせてしまったことを深く反省し、夫としての責任も感じていた。まずはゆっくり休むよう、彼女を説得しようと思っていた矢先の出来事だった。

そもそも、玲が出て行ってしまったのは自分のせい。今さら“良い夫ヅラ”して、玲のことを心配する立場にないことは分かっている。

一瞬の気の緩み、少しばかりの好奇心。全部、自分の弱さが引き起こしたことなのだ。

「ごめん、本当にごめん…」

時すでに遅し。このまま玲を失うかもしれない。康太は、誰もいない部屋で1人、声を上げて泣いた。

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第12話:「もう無理だ…」3倍稼ぐ妻に傷つけられた夫が口走った、残酷な本音

頭をブルブルっと振って、自分に言い聞かせる。それでも落ち着かない康太は、メニューをパラパラとめくって気を紛らわせる。

−玲は、ここのささみ(うめしそ)が好きなんだよな…。

そんなことをぼんやりと考えているうちに、時刻は20時を回った。来なかったらどうしようか、康太がソワソワし始めたその時。

「20時から予約しております…」

聞き覚えのある声に釣られて入り口を見ると、そこには玲が立っていた。

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第13話:「私が間違ってたの…?」夫とのすれ違いに疲れた33歳美人妻。彼女が下した衝撃の決断

「あとは、ご飯の上に玲の好きな高菜をのせて…。喜んでくれるかなあ」

さらに、スープジャーになめこと豆腐の味噌汁を入れる予定だ。

“30分後、会社のエントランスに来てほしい。渡したいものがある”

ラストスパートをかけながら、康太は玲にラインを打つ。するとすぐに、“了解”とだけ返信がきた。

それを見た康太は、お弁当に忍ばせる予定の小さなメッセージカードを取り出した。

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