夫は外で働き、女は家庭を守るべき。
女性の社会進出が進んだ現代において、そんな考えは時代遅れで、古臭い。
自分は、共働き賛成、バリバリ働く妻・大歓迎。
そう思っている男性は多いだろう。
しかし、自分よりも圧倒的に稼ぐ妻を持ってしまったら…?
徐々にすれ違っていく、金銭感覚、価値観、ライフスタイル。
超ハイスペ妻と結婚した夫は、一体どうなる…?
「今日は寒いし、夜ご飯にお鍋でもどう?俺、準備しておくよ」
康太は、慌ただしく外出の準備をしている妻・玲(れい)に話しかけた。
彼女は、さっきからドレッサーの前で、香水をつけたり、仕上げの口紅を塗ったり、忙しそうにしている。
「ありがとう!今日は友達とランチの後、ヘッドスパの予約をしてるの。ちょっと買い物もしたいし…帰ってくるのは18時過ぎかな」
「りょーかい」
康太が洗い物をするためキッチンに戻ろうとすると、ピーッピーと、洗濯が終わったことを知らせる音が鳴った。
「あっ!やっちゃった…もう出る時間なのに」
玲が小さく声を上げた。どうやら、洗濯機を回したことを忘れていたらしい。
「俺やっとくから。大丈夫だよ」
申し訳なさそうに手を合わせる玲に向かって、「いつものことじゃん」と、茶化すと「ごめん…」と、小さく呟いた。
「そうだ、今日は寒いからね。ダウン出しておくよ」
そう言って康太は、コート掛けからモンクレールのダウンを取り外し、ソファの上に置いた。
玲には、天気予報をマメに見る習慣がないらしく、毎日康太がチェックし、服装のアドバイスや傘の要・不要を教えているのだ。
「ありがとう、助かる!」
我が家は、自分が妻の苦手分野をサポートすることで成り立っている。康太は、バタバタと忙しそうに動き回る玲を見ながら、幸せを噛み締めた。
この記事へのコメント
夫の方が、奥さんに育休頼まれたから取ったのに…とか、俺がサポートして色々やってあげてる、そうでないと関係が成り立たない…と思ってるようじゃ先々辛いと思う。俺が望んでやってる、の状態に...続きを見るなれないならそもそも手出しすべきじゃない。
男女の格差が、どっちが上になるかに関わらず、関係の試金石なだけだよ。
私自身は自分で育てたい派だけど、それでも「女が育休とって当然、俺は育休取らないのも当然」という考えには逆に驚き(産休は女なんだから、育休はパパがとって?)