26歳、アラサーの仲間入り。周囲では申し合わせたように突然、第一次結婚ラッシュが訪れはじめる。
しかし当然、その波に乗り切れない者だって多くいるのだ。
結婚するのに早すぎる歳ではないが、言ってもまだ20代。微妙な年齢であるがゆえの「もっとイイ男がいるかも…」という、悪魔の囁きに翻弄される女たち。
主人公・杏里(あんり)も、なんとしてでも結婚ラッシュに乗りたいと思うものの、なかなか決断ができず、現れる男とはことごとくうまくいかない。
そんな杏里の一人目の「元カレ」とは…?
元カレ1:一宮 純。家柄は最高、ハイスペック御曹司
杏里は、何とも言えないネガティブな感情に苛まれていた。
久しぶりに集まった、会社同期の仲良しメンバー6人での女子会。
各々が最近のアップデートを報告する流れの中で、隣に座っていた同期がデザートをつつきながら尋ねた。
「で、杏里は最近、例の彼とどうなのよ?順調?」
杏里は、つい先日の出来事を思い出しながら口を開く。
「実は…この前の私の誕生日にね、彼に、来年には結婚したいと思ってるって言われたんだ」
そう言い終えるやいなや、5人全員が大きな声をあげた。
「えー!!!!」
そして口々に「おめでとう」とか「お祝いしなきゃ」と言い合い、騒いでいる。
「それってプロポーズじゃん!杏里、遂に玉の輿!で、式はどこでするの?超豪華なんだろうなあ、絶対私も呼んでよね!」
同期達はキャッキャッと騒ぎ、話はどんどん進んでいく。
だが杏里は、何と答えたらいいかわからずに黙り込んでいた。
定期的に開催されるこの集まりは、毎回幹事を持ち回りで、6人のうち誰かの誕生日を祝うことを口実に集まっている。
メンバーはそれぞれ、最近結婚した子、婚約中の子、絶賛彼氏募集中の子もいる。
杏里はずっと前から、こうした女子会で自分も「幸せな報告」を済ませ、皆から祝福の言葉を浴びるシーンを何度も想像していた。今まさに、目の前でその光景が繰り広げられている。
ーそうよ…。皆の言う通り、夢にまで見た結婚なのに…。
スペックの高い彼氏との、玉の輿婚。26年間、打算的に生きてきた杏里にとって、すべては計画通りだったはずだ。
それなのに素直に喜べないのには、理由があった。
この記事へのコメント
玉の輿婚に乗る作戦を練っていたのに、仕事を辞めて家で「嫁」をすることになるとは考えなかったのかなぁ。
それにしても先祖代々続く家業って、なんだろう? 気になる笑
そのスペック含めて狙い定めたんだし、矛盾してるような気がするけど、まあ人生そんなもんかな。実際仕事してみて楽しい時期なんだろうね~。純の「女が頑張って仕事する理由がわからない」はちょっと女を下に見てる感あるからやめといた方がいいかもね。
にしても、こんな古風なの、自分ならやだ😅女「なのに」仕事を頑張る、「女が仕事を続けるなんてありえない」...何この論理😥