“仕事”は、給与をもらうための手段。
そう割り切って仕事している人も多いのでないだろうか。
倉田梨沙(24)もそのうちの1人。ごくごく普通のOLで、出世欲だってもちろんない。
だがそんな彼女は、仕事の面白さに気づき、ビジネスの世界で成功したいと願ってしまった。
その夢を実現するために突き進むが、その道は、苦難の連続だった…。
“最低限”で仕事をこなす、どこにでもいる平凡な女の子でもキャリア女子になれるのか?
「出世欲☆ガール」一挙に全話おさらい!
第1話:「仕事は給与をもらう手段」定時帰りの24歳OLが直面した、厳しい現実
「倉田さん、おはよう。加藤君からのメールの件、先に言ってなくて悪かったね。人事部からは、倉田さんにプロジェクトに入ってもらおうと思って。参加者を募ったり、会場手配などの運営周りをお願いしたくてね。よろしく頼んだよ」
あの加藤さんと一緒に仕事ができると思うと梨沙の心は少し踊った。
「…はい!」
だが上司に快く返事をしたのも束の間、自分の席に戻りながら、だんだんと憂鬱な気持ちになっていった。梨沙は、自分の仕事が全く好きじゃないのだ。
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第2話:「残業したくない…」やる気ゼロの女に火をつけた、モテ男からの“ある言葉”とは
―誰の記憶にも残らない、私の仕事。
―ずっと誰かの“脇役”の、私の人生…。
だがそんな私情をよりによって加藤にぶつけるなんてお門違い。「謝らなきゃ」と思いながら、コーヒーを淹れにカフェスペースに立ち寄る。
すると、そこには普段見慣れぬ人の姿があった。2階上のフロアにいるはずの、加藤だった。
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第3話:「頑張っても出世できないのなぜ?」被害者ヅラをする女の、大きな間違い
「なんで、あんなに気遣いのできる田中先輩が昇格できないんですかね?田中先輩は、みーんなの仕事をいつも手伝ってくれるんですよ?」
3杯目の白ワインを一気に飲み干した梨沙は、饒舌になっていた。
「それに、なんか男性のほうが先に昇格している傾向が強くないですか!?」
不安のせいか、無意識で語尾が強くなる。そんな梨沙に優しい眼差しを向けながら、加藤がゆっくり口を開いた。
「その先輩は確かに頑張っているんだろうけど、ビジネスのルールを知らないんじゃない?」
「えっ?ビジネスのルールって何ですか?」
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第4話:「このまま働き続けていいのかな?」24歳OLが感じた、厳しい現実
ランチの時間になると、梨沙はコンビニでサンドイッチを買ってきてカフェスペースで朝の続きに取り掛かる。
その時だった。
「お疲れ様。隣いい?」
不意に声をかけられ、梨沙の体がビクっと反応した。
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第5話:「私のこと、1度も見なかった…」営業女子が取引先で受けた、屈辱的な対応
「倉田梨沙です。よろしくお願いします」
梨沙は、これまで社外の人とやり取りする機会がなく、新人研修以来の名刺交換だった。
「小林です」
不愛想に梨沙に名刺を渡してきたのは、情報システム部の部長・小林だ。年齢は50代。お腹はでっぷりとし、スーツはヨレ、足元は茶色のサンダルで、所謂“おじさんサラリーマン”といった風貌だ。
小林は、梨沙のことを一瞥するとすぐに、笹本の方に顔を向けて話し始めた。
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第6話:「最近彼と会えないのは、仕事が忙しいだけ」そう思い込んでいた、26歳女に訪れた危機
営業経験は短いが、しっかりと結果を出す梨沙に対して、嫉妬交じりの嫌味を言ってくる同僚も中にはいたが、いつの間にか梨沙はそんな嫌味を跳ね返せるくらいの自信をつけていたのだった。
-今さら最後のあがきをしても、お客様の稟議承認には、おそらく間に合わないのに…。
梨沙は、評価を目前に慌しく走り回る営業部内を見渡していた。
しかし、ふと一人だけのんびりと自分のペースで仕事をする人物に目が留まる。
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第7話:「真実を知りたい…」彼が他の女といた、という密告を追求した結果
心は濡れ、寝不足で疲れ切った身体のどこから、仕事をしたいというエネルギーが湧いてくるのか自分でも不思議だった。
これまでの自分だったら、こんな最低の出来事があれば会社を休んでいただろう。
「彼のことはもちろん好きだけど、仕事も…大切なんだもの」
ちょっと前までは、恋愛第一だったのに、いつの間にかそんな風に思えるようになった自分に驚く。
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第8話:「強くなったね…」彼に追いつきたくてキャリアアップした女が、フラれた理由
恋人・加藤からの「元カノと会っていた」という突然の告白に動揺し、梨沙はしばらくその場で動けずにいた。
スマホを握り、路地の隅に立ち尽くす梨沙には目もくれず、カップルたちが目の前を通り過ぎていく。たった今聞いたばかりの加藤の声がリフレインする。
ー梨沙はちゃんと自分で考えて行動して、強くなったよ。
ーごめん。情けないけど、自分を頼ってくれる子と一緒にいたいんだ。梨沙は何も悪くない…
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第9話:「女の出世と恋愛偏差値は反比例する!?」年収1,000万・28歳女のリアル
会議室に行くと、聞かされていなかったが、部長が待っていた。
ーえっ、なんでいきなり部長がいるの?
一瞬で緊張が走るが、悟られないよう「お疲れ様です」と会釈して席に着く。そんな梨沙をよそに部長がいきなり高いテンションで話しかけてくる。
「お疲れさま!倉田さん。今じゃ、うちのエースだからね!最近はどんなお客様を捕まえたの?」
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