ミーハー女 Vol.10

「年齢を重ねるほど、迷走する」恋に悩む27歳女の着地点とは?明日で最終話!「ミーハー女」総集編

日々、新しいショップやレストランがオープンし、アップデートを繰り返す街・東京。

東京で、そのすべてを楽しみつくそうとする女を、時として人は「ミーハー女」と呼ぶ。

ミーハー女で何が悪い?

そう開き直れる女こそ、東京という街を楽しめるのだ。

PR会社に勤務するミハル(27歳)も、最新のものをこよなく愛する「ミーハー女」である。

ミーハー女・ミハルは、この東京でどう成長していくのか?その物語をお届けしよう。

「ミーハー女」一挙に全話おさらい!

第1話:「ちょっと優しくすればOK」。男なんてチョロいと舐めていた女が、苦汁を飲んだ出来事

「ミハルちゃんって本当に可愛いよね。めちゃくちゃタイプ。『アラジン』俺と行こうよ」

ー狙い通り。

直樹の誘いを聞いた瞬間、ミハルは隠すことなく満面の笑みを浮かべた。顔が可愛くてノリも良いから、ちょっと目配せをすれば、男なんて簡単に落とせる。

また会いたい、と思わせることなんて、ミハルにとっては簡単なことだと思っていた。この数日後、直樹からのありえない仕打ちを受けるまでは…。

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第2話:「私、男運がなくて…」。いつまでたっても幸せになれない女の嘆き

夕暮れ時、煌びやかな銀座の街を、匠とミハルは歩いていた。

ブランドの路面店に立つ、モデルのような佇まいのドアマン。ピカピカに磨かれたショーウィンドウに並ぶ、新作のコレクション。

銀座という街は、東京のどこよりも、イイ女になった気にさせてくれる。ミハルがショーウィンドウの前で思わず立ち止まると、匠がミハルに話しかけた。

「ねぇ。ミハルさんってさブランド物、好きでしょ。しかも、誰が見ても、あのブランドのだ!ってわかるデザインのやつ」

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第3話:「可愛い子としか友達にならない」。女同士の薄っぺらな“友情ごっこ”の実情

「祐里奈はさ、本当にお金持ちのイケメン大好きだよね」

嫌味でもなんでもなく、思ったことをつい口にすると、祐里奈はいつもの笑顔でこう言った。

「うん、見た目ってすごく大事だと思うんだよねー。中身よりも大事かも」
「私も、それに近い考えだった時もあるけど…。でもさ、それだけで彼氏選ぶのって、なんか違うかなーって思うようになってきたんだけど、祐里奈はどう思う?」

ミハルは匠に言われたことを思い出しながら、祐里奈に恐る恐る問いかけた。

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第4話:好きなのに、会話が盛り上がらない…。自己中同士のカップルが直面した危機

祐里奈が悠人と初めて出会ったのは4ヶ月前の食事会だった。

パッチリとした二重の目に、笑うと口元にできるえくぼ、まっすぐな鼻筋に、パーマのかかったふわふわとした髪。悠人は食事会のメンバーの中でも際立ってイケメンで、その会の女子全員が悠人の隣の席を狙っていた。

「悠人くんはどんな子がタイプなの?」
「う〜ん、そうだなぁ…」

祐里奈の友達が前のめりになりながら聞くと、悠人は口元に手を当てて考えた。

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第5話:男女の友情は27歳まで?男友達からの誘いが、突然来なくなるワケ

食事会で大学ぶりに再会した商社マン・直樹。卒業以来ほとんど連絡を取っていなかった直樹から、ある日、思い出したかのように来た食事会の誘いは、彼氏を求めていたミハルにとって大チャンスだった。

だからこそ、その後の直樹のドタキャンは許しがたい出来事となった。

ーなんなの、あいつ。

ミハルは苛立つ気持ちを抑えきれず、直樹からの「また遊ぼう」という連絡に返事をせずにいた。そこから1ヶ月後の金曜日。ミハルが残業をしていると、デスクに置いていたスマホの画面が光る。

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第6話:お互い好きなのに、喧嘩が絶えないカップル。2人が決めた解決策とは

外の空気はひんやりと冷たいというのに、地下鉄のドアが開くと、もわっとした生暖かい空気が匠を覆った。濡れた傘が人にぶつからないよう気を付けながら、匠は空いているスペースを求めて移動する。

-せっかくの3週間ぶりのデートっていうのに、気持ちが全く上がらないのは雨のせいか、それとも...。

地下鉄の車内では、大人しそうなカップルが肩を並べて楽しそうに会話をしている。この人たちは、きっと喧嘩なんてしないんだろうな、と勝手に思っていると、突然聞こえてきた車掌のアナウンスでふと我に返り、急いでジャケットのポケットから携帯を取り出してメッセージを打った。

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第7話:「彼女いないって言ったのに…」。平気で嘘をついていた男の、身勝手すぎる言い分とは

ー匠さん、話がありますー

ミハルは眉間にシワを寄せ、画面を睨みつけるように見つめながら、携帯を握りしめた。どうして都合のいい女になってしまうんだろう。どうして騙されてしまうんだろう。そんな言葉が頭を巡っていると、匠から返事が届く。

ーごめん。今、買い物中。夜ご飯は予定あるけど、その後、お茶でもしよっかー

携帯の画面をぼんやりと眺めながら、ミハルは一連の出来事を思い返した。

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第8話:「彼女の写真はSNSにアップしない」。女を不安にさせる、男の本音とは

「そういえば、匠さんって彼女の写真インスタにあげないですよね」
「え〜そうだっけ?」

ミハルの質問に答えながらも、匠の意識は携帯に集中している。

「もしかして、彼女いること隠してるんですか?」

匠がよく見せる意地悪そうな笑みをし返してやろうと、ニヤリと口角をあげながら、ミハルは匠に問いかけた。

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第9話:「この人でいいや」。クリスマス前に、妥協して恋人を作ろうとした女の後悔

-今年のクリスマス、どうしよう。誰か暇な人いないかなぁ。

憂うつな気持ちになりながら、気がつけばミハルはLINEのトーク一覧を漁っていた。毎週末のように会っている女友達たちも、今年は新婚が多く、どこか誘いづらい。今から彼氏を作るには、出会いもない。

もはや誰でもいいから男友達にお願いをして食事会を開こう、とミハルが携帯の画面に指を滑らせていると、同期の祐里奈から連絡が届く。

-ねぇ、明日久しぶりにちょっと遠出してランチしようよ!-

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