2019.10.27
立場逆転 Vol.14女として本当に幸せなのは、どっちだと思う−?
やりがいのある仕事でキャリアを重ね、華やかな独身ライフを満喫する女。
早々に結婚し専業主婦となったものの、ひたすら子どもの世話に追われている女。
◆
独身キャリア・工藤千明と、専業主婦・沢田美緒。
二人はかつて同じ高校の同級生だった。しかし卒業後15年が経ち、千明と美緒の人生は180度違うものとなっている。
そんな対照的な選択をした二人が、同窓会で再会。
女のプライドをかけた因縁のバトルが今、幕を開ける。
「立場逆転」一挙に全話おさらい!
第1話:「まさか、あの子がこんな姿に…」同窓会で目にした元・学校イチの美女の現在
エストネーションで一目惚れをした、ノースリーブのニットワンピ。赤みがかったブラウンのロング丈で、サイドに大きく入ったスリットが女っぽい。
こういう、いわゆるボディコンシャスを魅力的に着こなせるのは、日頃から体型に気を配り、細部まで抜かりなく手入れを欠かさない女だけだ。
途中で諦めてしまった女は、絶対に手を出せない。だからこそ私は、このワンピを買ったのだ。来るべきイベント…高校卒業以来、およそ15年ぶりに“彼女”と会う日のために。
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第2話:「あの子に負けた…?」男を虜にしてきた魔性の女が、結婚と引き換えに失ったもの
ホーチミンでの気ままな駐妻ライフを終え、日本に本帰国したタイミングで子どもを授かったのは幸運の力もあるが、そうなるよう計算を働かせたのは他ならぬ私。
…ただ、欲を言えばマンションはもう少し都心に持ちたかった。
しかし夫・貴志の実家が田園調布にあり、初孫をそばに置きたい義両親が頭金を出すというので断れなかったのだ。そんなわけで、私はおおよそ思い描いた通りの人生を手に入れた。自分の人生は勝ち組なのだと信じて疑わなかった。
それなのに…。工藤千明。同窓会の会場に彼女が現れた時。私の中に、生まれてこのかた味わったことのない感情が芽生えたのだ。
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第3話:独身女が子持ち主婦のSNSから感じる、上から目線のメッセージとは
−360度、完璧だわ。
『鮨十』で食事を済ませた後、「もう少し飲むでしょ?」と誘われグランドハイアットへ。男は私を『マデュロ』 へ誘うと、馴染みの様子でスタッフとアイコンタクトをした。
彼…宇野正彦は、私が今いちばん素敵だと思っている男だ。出会いは、つい1ヶ月ほど前のこと。
結婚ラッシュもしばし落ち着いた33歳。久しぶりにお呼ばれした同期の結婚式で、新郎側代表のスピーチをしていたのが彼だった。
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第4話:久々の夫婦デートは単価5,000円のイタリアン。モヤる妻が気づいてしまった、夫の本音
「久しぶりにちゃんとデートしない?…二人だけで」
地元・金沢での同窓会から戻った日の夜。私は夫の貴志にそう自ら提案した。
「えっ?あ、いや別にいいんだけど…いきなりどうしたの?」
夫が帰宅したのは深夜、日付が変わった後だ。商社マンの夫は出張も飲み会も多く、平日早い時間に帰ることはほとんどない。いつもは息子と一緒に寝てしまうことが多いのだが、どうしてもこの話がしたくて起きて待っていた。
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第5話:出会って3ヶ月でプロポーズされた女と、「結婚する気はない」と宣言された独身女の差
− 結婚する気はないんだよね、俺 −
− 結婚する意味というかメリットが、俺には理解できなくて −
私をどん底に突き落としたエリート弁護士・宇野のセリフを思い出したからだ。宇野は、33歳の私に、初回のデートで「結婚しない」と断言した。
それなのに美緒は、若干25歳で、しかも出会ってたった3ヶ月でプロポーズされたと言う。
…この差は、一体どこにあるのだろう。
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第6話:1度だけ、のつもりが…。 “ご無沙汰”の主婦を誑かす、元・同級生の甘い囁き
「久しぶり!俺、村尾です。わかるかな?」
高校時代の同級生・村尾裕一郎から、突然のLINE通話がかかってきたのは、千明を誘ったホームパーティーの前日のことだった。
そのとき私はスーパーで買い出しの途中で、店内に流れる陽気な音楽が聞こえやしないかと、なぜか妙に慌ててしまった。なんとなく…咄嗟に、主婦である自分を隠したくなったのだ。
「村尾くん…?どうして…?」
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第7話:「あえて人妻を狙ってる」。人妻好きを公言する男の、身勝手な本音
…何の代り映えもしない、なんて思っていた私の8年間は、決して無駄じゃなかった。
無我夢中で仕事してキャリアを築き、その一方で自分を磨くことも忘れなかった。そういう努力を、しっかり見てくれる人がいたのだ。単純と言われてしまうかもしれない。
しかしこの一本の電話で私は、宇野に「結婚する気はない」と宣言されたことも美緒の自宅で感じた焦りも、すべてが帳消しになったような気がした。
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第8話:夫の職場近くで他の男と密会する人妻。浮かれる女の、身勝手な言い分
由美と私は、結婚も出産も同じタイミングで経験している。高校時代は千明とべったりだった私だが、主婦になってからは、東京と金沢で離れてはいても、SNSやLINEで由美と連絡を取ることの方が多くなった。
「そう。おばあちゃんっ子だから3日間くらい全然平気なの」
由美は私の質問を軽く受け流すと、「そうだ」と思い出したように身を乗り出した。
「ねえ、それより連絡きたでしょ?…村尾くんから」
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第9話:「人妻を狙って、何か悪い?」注目の若手経営者となった男の、底知れぬ闇
これまで出会ってきた男性の中でも宇野はダントツで素敵だし、スマートな彼と過ごす時間はいつだって完璧。高級リゾートで、きっと最高にリフレッシュできるに違いない。
もしまだ20代であったなら。彼に結婚願望があるとかないとかお構いなしに即答でOKしていただろう。
しかし現在32歳である私がこのまま宇野と関係を進めてしまったら…まず間違いなく独身街道を爆走してしまうことになる。
それでもいい!と割り切れるところまでは、私はまだ達観できていなかった。
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第10話:「この後、家に来ない?」結婚8年目。夫以外の男性から初めて誘われた主婦の本音
「…仕事があるって、いいな」
こんなこと、千明の前でなら絶対に言わない。しかし思わず本音が漏れてしまったのは、村尾の前だからだろうか。
−私、村尾くんに心を許しているのかもしれない…。
自らの言葉にハッとし、そんな風に考えたとき。村尾が私にある提案を持ちかけたのだ。
「沢田さん、よかったら僕の店で働かない?」
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第11話:「年下に惹かれるなんて…」33歳女の心を掴んだ、若い男の魅力とは
−誕生日、覚えててくれたんだ。
確か出会って間もない頃、お互いに誕生日いつ?なんてやり取りをした気がする。仕事のできる宇野のことだから、きっとその時すぐにカレンダー登録するなどしていたのだろう。
そのマメさに感心し、しかしその次の瞬間。宇野が当日を指定してこなかったことにホッとしている自分に気がついた。
自分の誕生日を一緒に過ごしたい相手…それは、宇野ではなかった。そのことに、私はこの時、皮肉にも宇野の誘いを通して気がついたのだ。
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第12話:「私、そんなつもりじゃ…」夫ではない男の家に行った人妻の、激しい後悔
−よかったらこの後、家に来ない?−
村尾の経営するジムで受付を手伝った帰り際、彼は私をそんな風に誘った。彼が高校の同級生でなかったら、最近知り合ったばかりの男なら絶対に断っている。
しかもこの日は土曜。今日は仕事の説明を聞くだけ、数時間だけだから、と夫に告げて家を出てきていた。
−やっぱり、帰った方が良いのかも。
車窓の景色は赤坂だった。モダンな造りのマンションで地下にあるパーキングに入り、村尾が愛車のエンジンを切る。急にシンと静まり返ったその瞬間、私は妙な胸騒ぎを覚えた。
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第13話:「やばい。グッときた…」恋人候補だった年下男に、美女が心を射抜かれた瞬間
−この男、危険。
そう思った私は、彼の本性を伝えようとすぐさま美緒に連絡を取った。しかしタイミングが合わず会話ができないまま、結果、美緒が傷つけられることになってしまった。
「ごめん、美緒…。村尾くんには近づかないほうがいいって、もっと早く忠告してあげられたらよかった」
今更言っても仕方がないとわかっていても、後悔が押し寄せる。しかし美緒はそんな私の謝罪を聞いていたのかいないのか、見当違いの言葉を口にするのだった。
第13話の続きはこちら
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