女の人生、その勝敗はいつ決まるのかー?
それは就職・結婚・出産など、20代で下した決断に大きく左右される。
ある分岐点では「負け」と見なされた者が、別の分岐点では幸せを勝ち取っていることなんてザラにあるのだ。
昔からその分岐点において、全く異なる結果になる2人がいた。その2人とは福岡出身の幼馴染、塩田ミキと佐藤菜々子。
2019年、28歳のミキは唐突に派遣社員となったはずの菜々子の”玉の輿婚”を知る。
遡ること、5年前の2014年、 ミキが大手化粧品会社に就職し煌びやかな生活を送る一方で、菜々子は夢叶わず、派遣社員として外資系アパレル会社で働いていた。
自信をなくし地元に戻ろうかと考えていた菜々子だったが、正社員の白石百合と出会ったことで、東京でもう一度やり直すことを決意。
そんな中、菜々子は百合の結婚パーティーに招かれ、弁護士の汐田正樹と出会う。帰り際、正樹は連絡先を記した名刺を菜々子に残して、雑踏の中へ消えていったー。
ー夢から覚めたみたいだな……。
百合の結婚パーティーは普段の生活では出会わないような人たちで溢れていて、1人、松戸のマンションへ戻ったときには、さっきまでの数時間が幻のように思えた。
菜々子はそっとワンピースのポケットに上から手を添える。
正樹にもらった名刺の感触が......
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この記事へのコメント
正樹も菜々子もどっちもまともで良かった。でも、まともが故に踏み外せず、こういう結末になるのよね。
結ばれなかったとしても、この2人が惹かれあってたのは間違いない。
こういう経験すると自分の感情に厚みが出るし今後の人生において無駄にはならないと思う。
留学や海外赴任前に慌てて結婚相手探す人もいるけど、二人とも真面目な性格で相手に対する思いやりがあったからこその結果なのかな。