2019.12.04
恋するマザー Vol.2いつまで経っても、女は女でいたいー。
それは、何歳になっても、子どもができてママになっても、ほとんどの女性の中に眠る願望なのではないだろうか。
いつまでも若々しくいたいという願いや、おしゃれへの欲求、それに少しのときめき。自由やキャリアへの未練。
そんな想いを心の奥底に秘めながら、ママとなった女たちは、「母親はこうあるべき」という世間からの理想や抑圧と闘っているのだ。
出産を機に仕事を辞め、専業主婦として毎日を過ごす川上翔子(34)。
夫と一人息子と、幸せな毎日を送っていたはずだったが、元同僚の結婚式に呼ばれた日を境に、彼女の人生が再び動き始めるー。
◆これまでのあらすじ
専業主婦の翔子は、結婚式に招待され、7年前に辞めた会社の同僚たちと久々に再会する。
そこで現実を目の当たりにし、「自分だけオバさんになっているかも」とショックを受けるが…。
翔子は、元同僚の披露宴に招待され、『アンダーズ東京』に来ている。
34歳ともなると、同世代の友人たちの結婚ラッシュもとうに過ぎ、披露宴に招待される機会もさすがに減ってきた。
それに最近の翔子の交友関係といえば、息子の同級生のママ友ばかりなので、すっかり「航太くんママ」としての人生を歩んでいる。
だからこそ今日の披露宴は、目に映る全てが輝かしくて目眩がするほどだ。
それなのに、友人のせっかくの晴れの日を、どこか心から楽しめていない自分に嫌気がさした。
「翔子、どうしたの。暗い顔しちゃって」
隣の席の美優紀が、ノンアルコールカクテルを飲みながら翔子の顔を覗き込んだ。
「え?そんなことないよ。お酒飲むの久しぶりだから、ちょっとまわっちゃったかも。美優紀はまだ授乳中?」
「そう。保育園に入れる予定だから、そろそろ卒乳だけどね。もうすぐ1歳だし」
「保育園?もう仕事復帰するの?」
「もちろん。妊娠中から保活してたから、準備はばっちり」
そう言って、美優紀は笑顔を見せた。
彼女は産後一年も経っていないのに、すっきりと引き締まった体をしている。それに、まだ1歳に満たない赤ちゃんをパパに預けられるくらい、育児も分担できているのだろう。
「旦那さん、今日は赤ちゃんを一人で見てくれてるんでしょう?すごい。えらいね」
翔子の発言を、美優紀は笑い飛ばした。
「えらいってなによ。彼の子供でもあるんだから、“見てくれる”とか“見てあげる”って言葉自体がおかしい。だって、母親が子供の面倒見ててえらいって言われないでしょ?立場は一緒だよ」
翔子が圧倒されていると、今度は同じテーブルの玲奈が話に入ってきた。
「私も出産したら、なるべくすぐ職場に復帰する。もちろん家事も育児も、夫と分担よ。生活費も折半。家事もシェア」
まるで異世界のような会話にたじろいでしまう。
同世代の二人は、翔子が引退してからの7年もの間、キャリアを積み続けていたのだ。「仕事を手放すなんて、考えたこともない」という様子は一目瞭然だった。
すると玲奈が、こう尋ねた。
「翔子はこの先も専業主婦希望?」
靴が合わないなら銀座あたりまでタクシー走らせて自分で靴を買うという選択肢が浮かばないか?
夫に迎えに来てもらえないかと他力本願。
挙句には元カレに靴を買ってもらうほど見え見えな察っしてちゃんぶり。
多分他の女性陣の笑い者になってんじゃないかな。
ハイヒールは女の戦闘服の一部ですよ。
履きこなせない人は履いてはいかんでしょ。
まあ、きっとこの後は元カレと焼け木杭に火がつき...続きを見るかけ、元カレの現彼女に対してモヤモヤしたりした挙句、「私にわぁ、子供と夫が〜〜いるしぃー」に落ち着く。
で、当時の優しいパイセン千尋さんがオンライン英会話で務まる程度の時短勤務なんかうまく作ってくれて適度に社会とは繋がり保てる流れかな?
一番の勝ち組ですよ。
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