シュガー&ソルト Vol.4

「ずっと恋愛してない…」就職に失敗し、商社の彼と別れた派遣社員24歳の苦悩

女の人生、その勝敗はいつ決まるのかー?

それは就職・結婚・出産など、20代で下した決断に大きく左右される。

ある分岐点では「負け」と見なされた者が、別の分岐点では幸せを勝ち取っていることなんてザラにあるのだ。

昔からその分岐点において、全く異なる結果になる2人がいた。その2人とは福岡出身の幼馴染、塩田ミキと佐藤菜々子。

2019年、28歳のミキは唐突に派遣社員となったはずの菜々子の”玉の輿婚”を知る。

遡ること5年前の2014年、外資系アパレル会社で派遣社員として働き始めた菜々子は東京の格差を目の当たりにする中で、自信をなくしかけていた。

もう地元に戻るべきなのかー?

そんな中、菜々子は、同郷だということが発覚した正社員の「白石百合」と2人で食事に行くことになるのだった。


「ぜひご飯でも行きましょう」

自分と同郷だと分かったとき、社内でも一目置かれている存在の百合がそう誘ってくれたのは社交辞令だろうと考えていた。

ー派遣社員の私なんかとご飯に行くメリットないよね……。

ところが百合はすぐに連絡をくれ、食事の日は金曜日に決まった。

忙しい百合に店選びまで任せるのは気が引けて「私が探してきます」と宣言したものの、店のURLを貼り付けてメールを送ったときは気に入ってくれるか不安でならなかった。

そして、約束の金曜日。菜々子は百合と『シンプルキッチン 南青山店』を訪れていた。

いつもは斜め前の席にいて、そっとパソコンの間をぬって盗み見ていた憧れの百合が真正面にいる。骨董通りを2人で歩いてきたときから、「不思議な組み合わせ」と、周りの人からは思われている気がしていた。

「このお店、前に彼と一緒に来たことがあって。ここのムール貝美味しいよね」

メニューを見ながら百合がそう言ったので、菜々子はそっと胸をなでおろす。

緊張とは裏腹に百合との話は思いの外弾み、あっという間にデザートを選ぶ時間になる。時計を確認した菜々子は少し焦っていた。

恋愛の話、地元の話と楽しい話題が続く中で、菜々子はどうしても百合に伝えたいことがあったのだ。

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