モテる男 Vol.3

「俺…本当は一途だよ」深夜のバーで、モテる男が囁いた言葉。その真意とは

「モテる男なんて苦労するだけ」
「結婚するなら誠実な男が一番」

早々に結婚を決めた女友達が、口を揃えていうセリフ。

だが本当にそうなのだろうか。ときめきのない男と結婚して幸せなのだろうか。

そう疑問を呈するのは、村上摩季・27歳。

同期とともに参加したバーベキューで、相原勇輝のさりげない優しさに心奪われた摩季。

勇輝からの連絡を心待ちにする摩季。だがようやく届いたLINEは、まさかの当日夜の呼び出しだった。


西麻布『BOCTOK』のソファに座り、相原勇輝は私に手を振った。

その仕草はあまりにも自然。初めて二人きりで会う男女とは思えず、「あれ?私たち恋人同士だったっけ…」と勘違いしてしまいそうになる。

挙動不審を必死に抑え、私は勇輝の隣にそっと腰をおろした。

「ナイスタイミング。会えて良かった」

無邪気に顔を覗き込み、そんなことを言う彼。

「そうだね」と笑顔を返すけれど、ナイスタイミングなのは彼にとっての話。確かにちょうど近くにはいた。女子会が終わるタイミングでもあった。しかし青山から移動したのは私だし、何より私だけが動揺し慌てている。

けれども慣れた様子でスタッフを呼ぶ横顔を眺めているだけで「まあ、いっか」と思えてしまうのだった。

話のきっかけを探って、共通の友人・玲奈の名前を出したのは私だ。玲奈は普段からひたすらクールで、ほとんど自分の話をしない。勇輝の話もこれまでに聞いたことはなかった。

彼の説明によると二人は大学時代のゴルフサークル仲間で、社会人になった今でも頻繁に交流があるらしい。

「玲奈が言ってたよ、相原くんはすごくモテるって。いろんな女の子とデートしてるんでしょ?」

ちょっとしたジャブを打ってみる。

しかし勇輝は「あはは」と笑っただけだった。…否定も肯定もしないのは、図星なんだろう。けれど次の瞬間、彼が急に真剣な表情を見せ、私をドキッとさせた。

「でも俺、本当は一途なんだよ?」

大きくて、まっすぐな瞳。

そして私はこの後、彼の言葉の真意を知ることとなるのだった。

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