東京ファイトクラブ Vol.1

東京ファイトクラブ:意識高い系ビジネスマンの爆裂トレーニングを追った!

今年8月にはリオデジャネイロオリンピックを控え、フィットネスやスポーツイベントへの関心が日に日に高まっている今日この頃。強い精神力と健康な身体、信念、人脈、自ら道を切り開いていける力がなければ、競争の激しい都会で生き抜くことは出来ない。

アスリートの精神論が語られる中、日々スポーツを通じて自己研鑽に励み、自身の限界に挑む東京人がいる。「ライバルは、自分自身」―コンクリートジャングルの喧騒の中で、彼らが抱く信念や挑む壁とは。

全6回でお送りする、「東京ファイトクラブ」
――いざ、開幕。

Episode 1: 下藤ビクトル明生

◆6:00AM

目覚まし時計に叩き起こされ、眠気眼で一日の始まりに溜め息をつく暇は、下藤ビクトル明生には無い。

1時間後にはクロスフィットのトレーニングが待っている。

昨日よりも今日、誰よりも、1秒でも、早く

クロスフィットとは、2007年に米国を発祥に、多くの警察学校や軍隊の特殊部隊、トップアスリートの主要なストレングス&コンディショニングプログラムとして取り入れられたトレーニングで、専属トレーナーが1時間の日替わりメニューを組み立て、グループでトレーニングを行うのが特徴だ。

「クロスフィットのいいところはすぐに結果が出るところ。2年前に始めたのですが、最初の2か月半で12kg落としました。ボディビルのように、見せる為の筋肉ではなく、どんな状況にも対応出来る総合的な身体能力を養うものです。限られた時間内にいかに重いものを持ち、いかに早く回数を回すか、常に自分の限界に挑戦します」

ここ2年間での身体の変化は劇的だ。
パワークリーンで105kg、デッドリフト165kg、ベンチプレスは120kgを持ち上げ、自己記録を日々更新している。


クロスフィットでは、言い訳や妥協は通用しない。
チームでさらに高みを目指す


クロスフィットは1クラス5~10名程度でトレーニングを受ける。チームメンバーと時に競い合い、声援を掛け合い、チームでの一体感が生まれることが魅力の1つだ。

筆者である私も実際に「クロスフィットクラス」を体験したのだが、息も絶え絶えで最後には吐き気をもよおすくらい、スーパーハードだ。1人で黙々と筋トレするよりも追い込み方が全く違う。「ちょっと休憩!」なんて思うものなら、トレーナーが目を光らせて追い立てる。

しかし、チームメンバーも同じ状況だと思うと、弱音は吐いていられない。体験終了時には、皆で乗り切った!という一体感を感じた。

この日のクロスフィットクラスのメニュー。専属トレーナーがブロック毎に動きを説明してくれる。日替わりなので飽きがこないと定評がある

また、クロスフィットに通う人たちは所謂、「意識高い系」が多いということも特徴だ。外資系勤務や弁護士、医者、芸能人など、ハイスペックな顔ぶれが多い。

「『エリート・フィットネス』と呼ばれているこのトレーニングは、1時間の間にほぼ休憩を入れないかなりハードな高負荷のメニューなので、少し身体を動かしたい程度の人には受けないでしょう。クロスフィットの人口自体が日本にはまだ少ないですし、店舗も13店舗ほどしかありません。世界全体では13,000店舗くらいでしょうか。爆発的に人気が出てきているものの、毎年米国で開催されているリーボック・クロスフィット・ゲーム(※)に日本人が出られるには、道半ばです」

※リーボック・クロスフィット・ゲーム
毎年米国で5か月に渡って開催されるワールド・チャンピオンシップシリーズ。オープン戦(個々にスコアをオンライン上で提出する)からリージョナル戦(世界17地域から選出)、最後にゲーム戦に勝ち進んだ男女各40名の中から王者を決定する過酷なコンペティションだ。今年はオープン戦が2月25日(水)から開始する。
(参照:http://games.crossfit.com/about-the-games

1時間のトレーニングを終えた後、ビクトル氏はそのまま会社に向かう。

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