12星座の女たち：「4月15日」に何かが起こる。“都合のいい関係”に苦しむ女を救った、意外な存在(3/4)[東京カレンダー

牡羊座　4月の運勢

3月に入ってから「いろいろなことが思い通りにならない」と、様々な場面で感じていたかもしれません。その理由の一つに天王星の移動という大きなイベントが関わっています。

この期間を何かに例えるならば、潮の変わり目に起こる「凪」という現象にも似ています。

約7年間牡羊座にとどまり続けた「ひらめき」や「インスピレーション」をつかさどる天王星の影響で、果敢に挑戦し続ける日々を過ごしていたあなた。しかし、天王星が抜けたことによって潮目が変わり、ほんの一瞬「凪」のような不思議な静けさに包まれた時間が訪れるのです。

その瞬間、もしかしたらあなたが感じるのはどうしようもない無力感かもしれません。

しかし、それでも天王星が滞在した7年であなたが学んだことを生かすことができれば、「思い通りにならない」事も新たな視点で切り抜けることが出来るでしょう。

誰しも“いつも通りのやりかた”というのは、いつかそれが使えなくなる日が来るということを心に留めておかなければならないのです。

特に4月15日を境に、人間関係が大きく動き出します。逆行する木星の影響で、思わぬアクシデントに遭遇する可能性も高いです。

しかし、アクシデントこそが、自分自身を奮い立たせるきっかけにもなりうるのです。

“いつも通りのやりかた”が通用しないと感じ、足踏みをしているのならば、今一度過去を振り返り、自分自身の生き方について問いかけてみてください。

風向きが変わる瞬間を、見逃さないように。

ラッキーデイ：4月15日

Horoscope：J・ミナト

4月の占いを一通り読み終えた有紀子はため息をつく。

「…J・ミナト、って何？」

「え？気になるの、そこ？」

呆れた藍が言うには『J・ミナト』とは、無名の占い師らしい。新しいコンテンツを始める際に占い師を探していたところ、たまたま他の媒体で占いをしている人に紹介されたのだという。

「メールだけのやりとりだから、誰も素性をしらないのよ。私が担当してるんだけどね、絶対に会ってくれないの。きっと別の名前で活動しているか、副業なんだと思うわ。ミステリアスでしょう？」

―なんだか、胡散臭いなぁ。

それが有紀子の本音だった。いくら当たると言われても、この文章からではぼんやりとした印象しか受けないのだ。

ただ一つだけ、「4月15日」という日付だけが、引っかかっていた。

―この日って、私の誕生日じゃない。

しかも、ラッキーデイと書いてあったが、アクシデントに遭遇する日とも書かれていた。一体どういう意味なのか、さっぱり理解できないまま有紀子は藍と別れて家路についたのだった。

「来週中に会えなければ、もう2度と会わない」と宣言したLINEメッセージを確認するが、未読のままだった。

◆

そして迎えた、4月15日。

結局LINEは既読になっただけで、何のレスポンスもない。

―何が“ラッキーデイ”よ。

誕生日当日なのに、Facebookにお祝いのメッセージが投稿されるだけで、一番連絡が欲しい相手からは何の反応もないのだ。

むなしさで押しつぶされそうになりながらも、必死で気丈に振る舞い仕事をこなしていた。新しいプロジェクトが始まり、さらに研修を終えた新入社員もアサインされ誕生日どころではない。

こういう時には仕事に集中することで心を落ち着かせてきたのに、今回は何をするにも倍の時間がかかり、新人の指導が加わったことで思うように身動きが取れなくなっていたのだ。

有紀子のいらだちを反映したかのように、現場は「凪」どころか不穏な嵐の直前のようにピリついている。

憂鬱な気持ちに支配されながら、後輩の里奈に資料のコピーを頼もうとしたその時ー。

里奈が真っ青な顔で、突然その場にしゃがみ込んだのだ。

「……ちょ、ちょっと！どうしたの？！大丈夫？」

その問いかけに無言で首を振る里奈を、急いで救護室へと連れて行った。