買い物は、魔法だ。
女は買い物という魔法を使って、“なりたい自分”を手に入れる。
ならば、どれだけ買っても満たされない女は一体何を求めているのだろう―?
32歳にして年収1,200万円を稼ぐ紗枝は、稼いだお金を存分に買い物に使う「カッコイイ女」のはずだった。
しかし、恋人・慎吾とのいさかいをキッカケに物欲は歪み始め、2人は破局を迎える。
超富裕層の個人投資家・喜多川のカードで好きなだけ買い物をする紗枝だったが、虚しさは募るばかり。
喜多川が浪費をけしかける理由を知った紗枝は、慎吾ともう一度向き合うことに。
紗枝の欲望の、行き着く先は?
久々に開ける自宅の扉が、ギィ、と硬く耳障りな音を立てる。まるで、緊張した紗枝の心を象徴するかのようだった。
その音を聞きつけたのだろう。紗枝が玄関に体を滑り込ませると、すぐに部屋の中から「紗枝ちゃん?」と呼ぶ声が聞こえた。まぎれもない、慎吾の声だ。
キッチンに立つ慎吾の背......
この記事の続きは月額プラン会員への加入、
またはアプリでコイン購入をすると読めます
またはアプリでコイン購入をすると読めます
この記事へのコメント
最後怖すぎる…