ようこそ、ルミ子の部屋へ Vol.10

年齢不詳の謎の美女が、東京男女の悩みを斬る!「ようこそ、ルミ子の部屋へ」全話総集編

仕事も恋愛も、自己実現も、自由に叶えられる時代。
それでも私たちは悩みの中にいる。

「この人でよかったんだろうか」
「ここは本当に自分のいるべき場所なのか」

東京・銀座の片隅に、そんな迷える東京男女たちが
夜な夜な訪れるバーがある。

オーナーをつとめるのは、年齢不詳の謎の美女、留美子。
時にやさしく、時に厳しく、彼女は私たちの背中をそっと押してくれるのだ。

さて、今日のお客さまは–

「ようこそ、ルミ子の部屋へ」一挙に全話おさらい!

第1話:記入済みの離婚届と共に姿を消した夫。「妻の知らぬ間に離婚」は成立する?

「…空いてますか」
「空いてますよ。どうぞ」

カウンター10席とソファ席があるだけの狭い店内には1人の客もいない。

「あの、私…会いに来たんです」

男の前髪の下の目がキラリと光ったように見えた。

「こちらのオーナーの“ルミ姐”っていう女性に」

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第2話:「なぜこんな女に…?」夫を奪った女の正体に愕然とする妻。その裏に隠された巧妙な策略とは

–もしかして、警察?事件とか、事故とか…

思いつく限りの最悪の事態を想像しながら、紗綾はおそるおそるスマホに耳を近づけた。

「もしもし紗綾さん?留美子です。ねえ、つかぬことを聞くけど、あなたのご主人って身長175cmくらいで顎のところにホクロある?あとドイツ語しゃべれる?」

それは、確かに最悪の事態だった。
まったく紗綾の想像していなかった形の–

第2話の続きはこちら

第3話:3回の婚約破棄。結婚にたどり着けないハイスペIT社長が「女を愛せない」本当の理由とは

東京・銀座は夕方の4時。ちょうど新橋との区界に位置する『銀座ナイン』2階のゴルフバーは、壮太の絶好のサボりスポットだ。

暮れゆく街並みを行き交う銀座の住人たちをボーッと眺めていると、難波橋の交差点に佇む妙な女に気づいた。

30代くらいだろうか。やたらとスタイルのいい女が、一歩進んでは引き返し、行きつ戻りつしながら結局その場を動かずにいる。

–何してるんだ?あんなところで

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第4話:「女なんて・・・もう信じない」結婚できないマザコン男に訪れた思いがけない奇跡とは

ふと携帯を見るとSMSに2件の通知があった。恵だ。

–あのさ、最後にもう一度会えないかな

で終わっていたやり取りに、新たに2つの吹き出しが加わっている。

–壮太、久しぶり
–お金の件ですけど。あれからよく考えてやっぱり頂けないと思いました。会って話せる?

第4話の続きはこちら

第5話:32歳で年収1,500万。高学歴・高収入・高身長の美女は、なぜ無職の“ヒモ男”の虜になった?

「あーちゃん、元気?俺だよー」

常に飴でも舐めているようなふわふわとした甘い声が耳の中で転がる。

「何?もうすぐフライトで、いま仕事中なんだけど」
「そっかあ。頼んでたアメリカの歯磨き粉、買ってくれた?歯が真っ白になるやつー」

電話の主は、梓の知る限り、世界で一番空気が読めない男だった。柏木恒星。34歳。広尾のマンションで梓と暮らしている同居人で、職業は無職。そう。彼はいわゆる、ヒモ男だった。

第5話の続きはこちら

第6話:「好きだよ。きみがいないと生きられない」男の甘い言葉に隠された嘘と、たった1つの真実とは

「私のもなんとかしてよ。あのヒモ男を追い出して!」
「お嬢さん、ちょっと飲み過ぎねえ」

留美子はグラスにミネラルウォーターを満たすと、そっと梓の前に差し出した。

「私はただの酒飲み。人様のお悩み解決なんてできません。それに…」

軽く眉根を寄せた留美子の額には、事故にでも遭ったのだろうか、鉤裂きのような傷跡があった。

「悩みっていうのはね、何かを求めて手に入らない苦しみのことを言うの」

第6話の続きはこちら

第7話:“職業=美人”が許されるのは、27歳まで?自分の価値を見誤った女が受けた辛すぎる制裁とは

女の華奢なヒールが、錆びた鉄階段を叩く音がする。東京・銀座は夜の11時。

8丁目雑居ビルの2階にある小さなバー「銀座Timbuktu」のバーテンダー、タカハシは、その音がだんだん近づいてくるのを耳の端で捉えていた。店は珍しくほぼ満席だ。

カウンターの客をさりげなく詰めさせ、席を一つ空ける準備をした。

タカハシの勘はこう告げている。これから来る客は、おそらく厄介だと。

第7話の続きはこちら

第8話:「初めから私を愛してはいなかったのね…」人の男を奪った、ルール破りな30歳美女が招いた悲劇

「私ね、もう…辛いの。お店に行きたくない」

雇い主であるさゆりママの美しくも厳しい顔が浮かぶ。逃げだしてしまいたい。憂鬱な仕事からも、貧しかった実家を思い出す、息が詰まる相部屋からも。

「やめちゃえよ。さゆりなら、俺が何とかするから」

美桜は思った。神さま、ありがとう。あの人より私に味方してくれて。いま美桜を腕に抱いているこの男は、行き場のない美桜を雇ってくれた恩人、さゆりママの恋人なのだ。

第8話の続きはこちら

第9話:「交換してみない?お互いのパートナーを」夫婦の危機を迎えた2組の男女にかけられた、残酷な魔法

「あら、あなた」

女は新之助を見つめると、恐ろしい速さで手元の最中を奪い取る。

「ありがとう。少しは使える若造になったのね」
「恐縮です」条件反射的に背筋がピンと伸びる。

「ずいぶん羽振りよさそうじゃない。そういえば奥さまはお元気?思い出すわねえ、あなたの大恋愛劇」
「いや、あの…それがですね…」

第9話の続きはこちら

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