深窓の令嬢が、超リッチな男と結婚。
それは社会の上澄みと呼ばれる彼らの、ありふれた結婚物語。
有馬紅子(ありま・べにこ)もそんな物語の一人として17年間幸せに暮らしてきた。
しかし突然、夫・貴秋が若い女と駆け落ち同然で家を出てしまい、紅子のプライドは消えかける。
しかし就職に成功し、新たな一歩を踏み出した紅子だが、ある日久しぶりに月城家に呼ばれることになった。そこで手紙の謎が明かされ、夫の貴秋が送り主に気がつき、田所涼子を呼び出し問い詰める。そして暴走を始めた涼子は、紅子に再び近づこうとする。
「社会経験、ほぼゼロ」。有閑マダムのレールから強制的に外された女・有馬紅子のどん底からの這い上がり人生に迫る。
「素敵な部屋にお住まいなのね」
レストランでのお食事かと思っていたけれど、人の多いところで話したくないという涼子さんに、ご自宅に誘われた。
涼子さんと一緒に、市ヶ谷にある会社の前でタクシーを捕まえて、20分ほど乗っただろうか。
地図や住所についてはあまり詳しくないの......
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