「親を大事にしろ」
人はそう、口を酸っぱくして言うけれど。
生まれてくる親を、子は選べない。
名誉や金にすがった親の“自己愛”の犠牲となった、上流階級の子どもたち。
代々続く地方開業医の娘として生まれた七海も、そのうちの一人であった。
父の死をきっかけに、母は本性をあらわした。そんな母との関係に苦悩する女の、“幸せをかけた闘い”が幕をあけるー。
父の死後、少しずつ様子がおかしくなっていく七海の母・真由美。一方、七海はベンチャー企業を経営する諒太(29)と結婚前提の同棲をスタートさせるが、母、そして姉の沙耶から結婚を反対されてしまう。
誰にも母の異常性を理解してもらえず苦しむが、七海はついに母の承諾を得ることを諦め、自分たちの意思で結婚することを決意した。
「えっ、ご新婦のご家族は、結婚式に参列されないんですかぁ?」
目の前に座る20代半ばの女性が、ばちばちと瞬きしながら、驚いた表情で私を見つめている。
「はい、結婚式というよりは1,5次会のような感じにして、ゲストも友人中心にしようと考えています」
私が淡々とした調子......
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この記事へのコメント
それにしても、イヤなやつだなこの…友達かこいつほんとに?
身内への挨拶を招待客の前でやるのはなぜ?
前日の晩か当日の朝に、実家で三つ指ついて終わらせておきなさいよ。
もしも会社が軌道に乗って大成功したら、こういう時の仕打ちをした人や、七海の親、姉は何食わぬ顔で擦り寄ってくるんだろうね